東芝とNortel Networksは5月18日、ワイヤレスブロードバンド分野における技術開発を促進することを目的に提携することを発表。WiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)基地局を実現する新製品を共同で開発し、2008年初旬より国内および海外市場向けに展開することを明らかにした。
WiMAXは、IEEE802.16規格をベースとする次世代高速無線ネットワーク技術のひとつ。ブロードバンドインターネットへの無線アクセス手段としての利用が期待されており、移動用途でも、固定用途でも利用できる特長を持つ。
日本国内では、まもなく2.5GHz帯の免許交付が予定されており、こうした状況がWiMAXへの注目度を高くしている。すでに世界各国では、商用評価や導入展開が推進されているほか、WiMAXの普及を促進し、相互運用性の確立を目指す業界団体である「WiMAX Forum」には400社以上が参加している。
調査会社であるYankee Groupの報告では、2010年にWiMAX製品需要は40億ドル以上になると予測されている。
今回の提携により東芝は、高周波部を実現するための小型化、効率化の技術を提供し、Nortelはデジタル部を実現するためのOFDMやMIMOなどの関連技術を提供。両社の強みを生かし、国内外の市場のニーズに対応した製品を開発する。これにより両社は、業界トップクラスの性能を搭載しながら省電力で動作する製品を低コストで提供することを目指している。
東芝の執行役常務 社会システム社 社長、木村俊一氏は、「Nortelと協力することで、低消費電力、小型、高性能、低コストのWiMAX基地局を開発する。これにより、40億ドルといわれているWiMAX市場におけるメジャープレーヤーとしての地位を確立したい」と話す。
一方、NortelのLG-Nortel会長兼WiMAX&Wireless Mesh事業部ゼネラルマネジャー、Peter MacKinnon氏は、「特に日本の都市部では、小型で高密度なWiMAX基地局が有効になる。日本市場を満足させることができれば、世界のどの市場でも満足させることができる。だからこそ、東芝との提携は重要になる」と話している。