Hewlett-Packard(HP)は、CNETの姉妹サイトであるZDNet UKの独占インタビューで、「Centrino Pro」搭載ノートPCにIntelの「Turbo Memory」技術を一切採用しないと明かした。
Turbo Memoryは、以前「Robson」という開発コード名で呼ばれていたフラッシュメモリモジュール。Turbo Memoryは、「Windows Vista」の「ReadyBoost」や「ReadyDrive」などの機能を利用するために開発されている。これらの機能は、システムのRAMを増強することで、ノートPCの起動時間を短縮し、パフォーマンスを改善する。ReadyBoostは、Vista搭載コンピュータにメモリカードやUSBメモリを接続すれば利用できる。しかし、Turbo Memoryを使えば、外部メディアを追加せずに同機能が利用可能になると言われている。
Turbo Memoryは、IntelがPCメーカーに供給しているCentrino Proプラットフォームのオプション機能である。Centrino Proプラットフォームには、プロセッサ、チップセット、無線コンポーネントなどが含まれている。ほとんどのメーカーが、台北で今週開催される展示会「Computex」でCentrino Pro搭載ノートPCを発表する。
Acer、Dell、東芝などを含む、ほとんどすべての主要ノートPCベンダーが、新型機にTurbo Memoryを採用する予定である。
一方HPは、Turbo Memoryは価値が乏しく、柔軟性を制限すると主張している。HPの英国およびアイルランド担当ビジネス向けノートパソコン部門シニアカテゴリマネージャーSteven Gales氏はZDNet UKのインタビューで、社内テストの結果Turbo Memoryを省くことを決定したと述べた。同氏は「この機能について、現在利用可能なものを製品に採用する以上に真の価値を顧客にもたらすか(を見極めるため)、かなりの調査を実施した」と述べた。
HPで欧州、中東、アフリカ(EMEA)地区のPersonal Systems Groupでシニア・ノートPC・テクノロジ・コンサルタントを務めるSteve Doddridge氏は、「RobsonやReadyBoostのような技術を利用していない標準的システム(1GバイトRAMを搭載)の基本システム性能に注目し、同じ構成にRobsonを付加したシステムや、Robsonではなく(同じ容量の)SDカードやUSBメモリを付加したシステムと比較した」と付け加えた。