モジラ:「Firefox 4」に向けた目標はPCとの統合とウェブサービスとの連携強化

文:Rafe Needleman(Webware) 翻訳校正:矢倉美登里、福岡洋一

2008-04-04 17:00

 米国時間3月26日にブログで中継した製品ロードマップに関する会議の終了後、Mozillaの研究部門であるMozilla LabsのバイスプレジデントChris Beard氏にインタビューした。Beard氏は、「Firefox 3」には搭載されないが、同氏の思うように事が運べば「Firefox 4」に搭載される機能に取り組んでいる。

 ブラウザは進化する必要がある、というのがBeard氏の持論だ。ブラウザの概念はこの10年間基本的に変化しておらず、いまも独立したソフトウェアのままだとBeard氏は言う。Mozilla Labsはブラウザの境界線をあいまいにしてPCとの統合を進めると同時に、ウェブサービスとの連携を強化しようとしている。こうした拡張が行われれば、ブラウザはあらゆる種類のアプリケーションにとってもっと強力で幅の広いプラットフォームになる。

 Mozillaは現在、「Prism」と「Weave」という2つのプロジェクトでブラウザの限界を超えようと取り組んでいる。

Prism

 Prismは、ウェブアプリケーションをデスクトップから起動できるようにするMozillaのプロジェクトだ。ブラウザの中核技術を公開して、本質はウェブアプリケーションだがそうは見えない「Zimbra Desktop」のような製品を、アプリケーション開発者が開発できるようにすることもPrismプロジェクトに含まれる。

 このプロジェクトの目標は、どんなウェブサイトやアプリケーションでもデスクトップから直接起動できるようにすることだ。取り組みの大きな部分は、インターネットに接続していない状態でもサイトやアプリケーションが機能するようにすることに向けられている。「HTML 5」(ウェブサイトをコーディングするための次世代の標準)は、ローカルなオフラインのリソースにも明確に対応している。

 HTML 5とPrismによって「Google Gears」は時代遅れになる、とMozillaの幹部は言う。「Adobe AIR」や「Microsoft Silverlight」など、既存の主要なウェブアプリケーションプラットフォームで、プロプライエタリな製品は言うまでもない。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

  4. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  5. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]