Intel会長のCraig Barrett氏は、米国時間8月19日の講演で、米国で研究開発投資が奨励されていないことに不満を漏らした。またその一方で、同氏は、低価格コンピュータとちょっとしたアイデアで教室に変化をもたらすことができることを示した。
Barrett氏は、米国は他国に比べ、研究開発を促進するための施策が不十分だと嘆いた。同氏は、開発者会議Intel Developer Forum(IDF)の基調演説で、「技術革新投資、開発投資を呼び込むための適切な環境が必要だ」と述べ、さらに「これは現在の私の政治的意見だ(中略)この(研究開発に対する積極的な)姿勢が見られない国は世界に1つしかない。それがここ(米国)だ」と付け加えた。
「われわれは、投資や技術革新の奨励に真剣に取り組むべきなのに、それをしていない(中略)今日の論点といえば、研究開発関連の税控除を廃止すべきという論調ばかりだ。米国政府は、将来の米国の競争力にとって研究開発投資が重要であるという点を認めようとしないが、(世界の)他の誰もがそのことを認識している」
しかし、全ての技術革新が大金を要するわけではない。Barrett氏は、カーネギーメロン大学のJohnny Chung Lee氏を壇上に招いた。Lee氏は、任天堂のWiiリモコンを使った「低価格でできる、マルチポイントのインタラクティブな」ホワイトボードの作り方を紹介した。
Intel会長のCraig Barrett氏と、Wiiリモコンを使ったデモを行うカーネギーメロン大学のJohnny Chung Lee氏(提供:Brooke Crothers)
Chung氏は、自身のウェブサイト上で次のように説明している。「Wiiリモコンは、赤外線の光を追跡できるため、先端に赤外線LEDが付いたペンの動きを辿ることができる。Wiiリモコンをプロジェクションスクリーンや液晶ディスプレイの方に向けることにより、極めて低価格の双方向ホワイトボードまたはタブレットディスプレイが出来上がる。Wiiリモコンは、最高で4つの点の追跡が可能なため、ペンも4本まで使用可能だ。この方法は、リアプロジェクション方式のディスプレイでも十分機能する」
Chung氏はデモの締めくくりとして、安価な既成技術を創造的に利用すれば、単に(コンピュータの)処理能力のみを利用する場合よりもはるかに多くのことが可能になる、と述べている(これは必ずしもIntelのスローガンではない)。「今を興味深いものにするために、技術は、最高の速度、品質、アイデアに基づいた、最軽量のものでなくてはならない。しかし、ここで考えなくてはならないのは、機能や性能を少しだけ犠牲することによりコストを大幅に削減できれば、大きなプラス効果が期待できることだ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ