マイクロソフトは8月20日、家庭やSOHO向けのホームサーバソフトウェア「Microsoft Windows Home Server 日本語版」を発表した。同製品の英語版は、日本でも2007年9月29日より販売していたが、日本語版を使いたいというユーザーの要望に応え今回の発表に至った。
Windows Home Serverは、サーバOSの「Windows Server」がベースとなっている。対象となる顧客層について、マイクロソフト 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の五十嵐光喜氏は「新しい技術を好むテクノロジに精通した人や、自宅で複数のPC管理をしているITエンジニア、またSOHOや大学の研究室などが考えられる」としている。「自宅で2台以上のPCを所有しているのは420万世帯と見積もっているが、こうした家庭を中心にホームサーバ市場を創出したい」(五十嵐氏)
Windows Home Serverには、ファイル共有機能や自動バックアップ機能、セキュリティ管理機能などが備わっている。
ファイル共有機能では、Windows Media Connect対応デバイスが10台まで接続可能で、PCはもちろんXbox 360などでもファイルが共有できる。自動バックアップ機能では、クライアントPCのハードディスクイメージをOSからアプリケーションまでバックアップする。重複するデータはコピーしないほか、指定されたバックアップ時間にクライアントPCの電源が入っていない場合は、自動で電源を入れ、バックアップが終われば自動でシャットダウンするようになっている。クライアントPCのアンチウイルスソフトの更新状態やファイアウォールの状態なども管理できる。
また、SATAやSCSI、USB外付けハードディスクなど、異なるインターフェースのハードディスクをまとめてひとつに見せるドライブエクステンダー機能や、Windows Liveのカスタムドメインで専用のURLを無料で取得し、外出先から共有フォルダにアクセスしたり、クライアントPCのリモートデスクトップに接続したりすることもできる。
五十嵐氏は、自宅でサーバが必要な理由について、「例えば、昔であれば写真のアルバムは家族全員がどこにあるか知っていて、いつでも自由に見られる状態にあった。それが、デジタルカメラが普及し、家庭でPCを複数台所有することも多い今では、家族の写真を誰が管理し、バックアップを取っているのかどうかもわからないケースが多い。このように、皆で共有したいデジタルデータを、一括で管理し、保護、共有し、遠隔からも利用できるようにするのがこのサーバの役目だ」と説明する。
Windows Home Server 日本語版は、8月30日より提供開始する。ハードウェアパートナー各社がプリインストールモデルを発売するほか、システムビルダーがPCプレインストールやPCパーツと併せて販売するDSP(Delivery Service Partner)版を提供する予定だ。