Appleの「iPhone」は、モバイルデバイス上でのウェブブラウジングに革命をもたらしたものの、米Yahooを始めとする特定のサイトを閲覧する時のユーザーエクスペリエンスに目を向けると、依然として不満を感じているiPhoneユーザーも少なくないようだ。
モバイルエクスペリエンスの改善に役立つテストツールを、企業向けに提供しているKeynote Systemsは、米国時間10月9日にリリースされた調査の中で、特定のサイトを訪れた時のiPhoneユーザーの満足度が低く、広告のクリックスルー率もわずかであると判明したことを明らかにした。この調査結果は、多くのモバイルウェブサイトのユーザビリティーに、引き続き改善が必要であることを示唆している。また、広告主も、もっとモバイルウェブに合った提供へとシフトしていかねばならないことが示されている。
Keynote Systemsは、ウェブサーフィンに適した設計が行われたiPhoneを、今回の主な調査対象として用いている。一般的にiPhoneユーザーは、他のスマートフォンユーザーよりも多くの時間を、モバイルインターネットサーフィンに費やしている。
Keynote SystemsのシニアプロダクトマネージャーであるDan Richards氏は、「iPhoneは、画期的なモバイルスマートフォンである」と述べたものの、「今回の『Keynote WebEffective』での調査結果が示すように、ウェブサイトを閲覧する時のユーザーエクスペリエンスは、それほど画期的なものとはなっていない」との分析を発表した。
今回の調査の一環として、75名以上の参加者に対して、まずエンターテインメントニュース記事を探し出して読み、再び別の特定の話題に関する記事を検索してから、今度は友人に、その記事を送るように求めることが行われた。Keynote Systemsは、モバイル環境向けの開発に多額の資金を注ぎ込んでいる、インターネット上の特定のビッグブランドであったとしても、ユーザー満足度という観点からは、必ずしもハイスコアを記録していないことを明らかにした。実のところ、Yahooのモバイル向けホームページの満足度は51%と低く、Fox Newsの満足度も64%と、決して十分なものではなかった。
これが意味するところとしては、Keynote Systemsによると、Fox Newsのユーザーは、コンピュータ上で見るよりも、モバイル環境で閲覧するほうが、ユーザーエクスペリエンスも高いようだが、Yahooユーザーにとっては、コンピュータ上で見るのと比較すると、モバイル環境でのユーザーエクスペリエンスは非常に悪いものでしかなさそうだ。
(iPhoneから)Yahooを閲覧したユーザーの約60%が、何らかの不満を表明したのに対し、Fox Newsを閲覧したユーザーのうち、大きな不満を表明したのは33%に過ぎなかった。多くのユーザーは、サイトの表示エラー、ページデザインの乱れ、遅い表示速度、過度にスクロールを要求されることなどを、最大の不満点に挙げている。
さらに、今回の調査では、ネットサーフィン中に広告をクリックしたiPhoneユーザーが、わずか4%に過ぎなかったことも明らかになっている。また、広告が表示されているのは知っていたが、クリックはしなかったとの回答者も、わずかに25%に限られた。
モバイルインターネットユーザーの別の大きな悩みの種は、検索に関連したものである。多くのユーザーが、こうしたウェブサイトの検索は、容易でないことに気づいたという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ