米Yahooは、Autodeskの元最高経営責任者(CEO)であるCarol Bartz氏に対して、次期CEO職への就任を要請し、この件に詳しいある情報筋によれば、Bartz氏は、「速やかに」要請に応じる意向を示しているという。
もしBartz氏が受け入れるならば、Yahooの共同創設者であり、Microsoftとの買収交渉の失敗後、激しい非難にさらされてきた現CEOのJerry Yang氏は、CEO職を辞することになる。
いまだYahooは、Bartz氏からの正式な回答を得られていないものの、すでにWall Street Journal(WSJ)は、Bartz氏がYahooの次期CEOに就任予定であると伝えた。
Yahooの広報担当は、この件に関してコメントするのを拒んでいる。また、Autodeskの広報担当も、Bartz氏についてコメントするのを辞退した。
Bartz氏は、シリコンバレーでも有名な、エグゼクティブとして高い評価を集める人物である。同氏は、Autodeskのトップとして14年を費やした後、2006年に入ってから、同社人事計画の一環で、CEO職を辞している。
Bartz氏が、AutodeskのCEOであった期間中に、同社は幅広い市場での急成長を遂げ、とりわけ2003年半ばから2004年末にかけて、市場での優位を確保するに至った。
米国時間1月13日に、近づくBartz氏の次期CEO就任に関するニュースが流れたにもかかわらず、Yahooの株価は、前日終値よりも約2%下落して、午前中には11.94ドルを付けた。
Bartz氏は、2008年を通じて、厳しい戦いを強いられた企業へと、やって来ることになる。
2008年に入って、Microsoftは、Yahooを一方的に買収する戦略を展開したものの、1株当たり33ドルの買収提示額が拒否されると、買収交渉を打ち切ってしまった。その後、Yahooは、アクティビスト投資家のCarl Icahn氏との委任状争奪戦を強いられ、結局はIcahn氏が、同社取締役会に加わることで、和解に至っている。また、2008年末には、Googleとの検索広告提携により、有力な売り上げを確保することを狙ったYahooの願いも、かなうことなく破局を迎えてしまった。Googleは、米司法省が独占禁止法違反に関する懸念を表明したのを受けて、提携交渉を打ち切ったのだ。
Googleとの交渉が失敗に終わった直後、Yang氏は、後任が決まり次第、すぐにCEO職を退くことを発表した。
Bartz氏以外にも、Yahooの現社長であるSue Decker氏や、元VodafoneのCEOであるArun Sarin氏などが、次期CEOの有力な候補に挙がっていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ