先週、Google Labsが「Internet Explorer」向けに位置情報サービスを備えた実験的ブラウザツールバー「Toolbar with My Location」をリリースしたとき、多くの人はなぜ「Firefox」でそれが利用できないのか不思議に思った。やっとその理由が明らかになった。Firefox向けのMy Locationは、ツールバーや拡張を通して追加されるのではなく、Firefox自体に組み込まれることになっていたのだ。Mozillaは米国時間4月30日、Firefox 3.5 beta 4と、モバイル版Firefoxのコードネームである「Fennec」向けの新機能として、Googleの位置情報サービスを追加したことを発表した。Toolbar with My Locationと同様に、Mozillaがオプトイン方式で提供するこのエンジンも、ユーザーの現在地に基づいてウェブから適切な情報を探し出し、検索結果を返す。
この機能の仕組みは次の通りだ。ブラウザからユーザーの位置情報を求めるページにアクセスすると、ユーザーはその要請を許可するかどうか尋ねられる。要請を断った場合は何も起こらないが、許可した場合はユーザーのWi-FiアクセスポイントやIPアドレスに関する詳細な情報が暗号化SSL接続(https)を使って、Googleの位置情報サービスに送信される。その後、Googleはユーザーの現在地に関係のある検索結果を返す。典型的な使用例を挙げると、「映画館」や気象情報を検索する際、現在地の地名やZIPコードを入力しなくても、地元に関連する検索結果を得ることができる。
ここで最も懸念されるのは、プライバシーの問題だ。多くのコンピュータユーザーがインターネット上の自分の痕跡を消そうと躍起になっている現状を考えると、ユーザーがキーボードをたたく回数を数回減らすためにそうした情報を第三者に譲渡するのは無謀な行為に思えるかもしれない。Mozillaはこうした懸念を解消するため、「Firefoxがセッション間のユーザーの位置情報を追跡したり記憶したりしないこと、ユーザーの位置情報をサードパーティーに決して送信しないこと、そして、そうした情報をMozillaのいかなるサーバにも決して送信しないこと」をFAQコーナーに明記した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ