MySQLの元最高経営責任者(CEO)であるMårten Mickos氏は米国時間10月8日、欧州連合(EU)の規制当局に対し、OracleによるSun Microsystemsおよび同社の「MySQL」データベースグループ買収を早急に承認するよう求め、これ以上の遅延は、EUが保護しようとしている競争そのものを弱めることにつながると主張した。
Mickos氏は、欧州競争政策担当委員のNeelie Kroes氏に宛てた書簡の中で、OracleがSunおよび同社のオープンソースデータベースソフトウェアを買収することが市場を害することにならないかという、規制当局の疑念は理解できると述べた。だが、2001年から2009年までMySQLを率いたMickos氏は、Oracleによる買収は競争を損なうものではなく、買収を引き延ばすことこそが競争を損なうと述べた。
Mickos氏は書簡の中で、次のように書いている。「日々不透明な状態が続くことは、Sunのさまざまな事業にとって非常に有害で、市場での競争を減少させる恐れがある。したがって、この取引の完了の遅れは、今回の買収に対する調査を開始する際にEUが掲げた、尊重すべき目標に反する結果にしかならない」
Mickos氏の書簡が規制当局にどのような影響を及ぼすかは不明だが、同氏はMySQL事業に精通しており、Oracleとしては、買収手続きを進める助けになるなら、どんな支援でもありがたいはずだ。なお米司法省は、2009年8月にOracleによるSunの買収を承認済みだ。
Mickos氏は、自身の論点を次のようにまとめている。
- Oracleは、MySQL事業の成長を維持すべき事業上の説得力ある動機をいくつも持っており、その数はSun MicrosystemsおよびMySQLが有していたのと同等か、それを上回る。
- たとえOracleに、何らかの理由で、MySQLに関して悪意、または無知からくる意図があったとしても(私がそのように考えているわけではないが)、MySQLがDBMS市場において持っている積極的かつ大きな影響力は単一の組織によって支配され得るものでなく、MySQL資産の所有者でさえ支配できない。市場ではMySQLのユーザーが、所有者よりも強い影響力を及ぼしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ