「SQL Server 2008 R2」におけるライセンス改訂と機能追加--要点をチェック

文:Scott Lowe(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子 2010年06月29日 08時00分

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 「SQL Server 2008 R2」のリリースにあたり、Microsoftは新たなエディションと機能を用意した。また同社は、仮想化ライセンスの改訂も行っているが、その内容はSQL Server 2008 Enterpriseのライセンスで無制限の仮想化を認められているIT部門にとって懸念を抱かせるものとなっている。そこで本記事では、SQL Server 2008 R2の新たなエディションとライセンス改訂について解説することにした(本記事では、製品ラインの中核をなしているDatacenterエディションとEnterpriseエディション、Standardエディションを採り上げている)。

Datacenterエディションのもたらすメリット

 最大の注目点は、SQL Server 2008 R2でDatacenterエディションが追加されているということだろう。Datacenterエディションでは、論理プロセッサ数の上限が256となり、搭載メモリの上限はOSの上限値によってのみ制限される(すなわち、Windows Server EnterpriseエディションやWindows Server Datacenterエディションでは2テラバイト)ため、Enterpriseエディションの上限値(CPU数の上限が8、搭載メモリの上限が2テラバイト)から来る制約を受けている企業にとって、Datacenterエディションは当然のアップグレードパスとなるだろう。なお、このエディションを選択する主なメリットは、メモリ容量よりもプロセッサ能力にあるはずだ。Datacenterエディションの搭載メモリ上限は、Microsoftの言葉を借りると、「OSがサポートしている上限値」ということになるのだが、Windows Server 2008 R2のDatacenterエディションにおける2テラバイトという上限値(英文)は、SQL Server 2008 R2のEnterpriseエディションにおける上限値とまったく同じであるため、実質的に搭載メモリの上限値が引き上げられるわけではない。とは言うものの、CPU数の上限が大幅に引き上げられるだけでも、Datacenterエディションには大きなメリットがあると言えるだろう。

 なお、MicrosoftはParallel Data Warehouseエディションを2010年中にリリースする予定である。このエディションは、大企業におけるハイレベルなデータウェアハウジングというニーズをサポートするための、スケーラビリティの高い製品となるはずである。

仮想化環境においてコストの上昇がもたらされる可能性

 SQL Server 2008 R2における新たなDatacenterエディションのリリースを機に、Microsoftは同製品のEnterpriseエディションにおけるプロセッサ単位の仮想化環境数を無制限ではなく、4つまでに制限することにした。この仮想化ライセンスモデルは、Windows Server 2008 R2におけるEnterpriseエディションおよびDatacenterエディションの仮想化ライセンスモデルに準じたものとなっている。これにより、無制限の仮想化権利に基づいてSQL Server 2008のEnterpriseエディションを配備している企業によっては、SQL Server 2008 R2のDatacenterエディションを選択する必要が出てくる場合もある:SQL Server 2008 R2において無制限の仮想化権利が認められているのはDatacenterエディションだけなのである。しかし、SQL Server 2008 R2のDatacenterエディションにおけるプロセッサ当たりのライセンス料は、Enterpriseエディションにおけるそれの2倍--つまり、Datacenterエディションの5万7498ドル(価格表に記載されている料金)に対して、Enterpriseエディションは2万8749ドルとなっている。この価格差は、企業によっては厳しいものとなるかもしれない。

 ただし、このライセンス料金が適用されるのは、Software Assuranceを購入していない企業に限られるという点で、まだ救いがあると言える。Software Assuranceを購入している企業に対しては、SQL Server 2008 R2でも今まで通りの仮想化権利が認められるのである(英文PDF)。

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