シックス・アパートは、同社が展開しているWeb制作会社向けのパートナー制度「ProNet」会員を対象としたクラウド型支援サービス「Six Apart UNIBaaS」の提供を開始した。会員企業の業務効率向上や、顧客管理、販売促進などをクラウド基盤により補強するほか、Movable Typeの使用環境を大きく改善できるという。
Six Apart UNIBaaSは同社が独自開発したクラウド型のMovable Type運用プラットフォームで、Salesforce.comのクラウドCRM、仮想環境に必要とされるさまざまな要素を自動的に作成するツール「UForge(開発元:仏UShareSoft)」などで構成され、クラウド基盤としてはIDCフロンティアのサービスを採用している。
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BaaSとは、「Business process as a Service」を意味しており、ProNet会員企業は、このプラットフォームを用いることにより、国内外で多くの実績があるSalesforce.comを通じ、顧客向けのWebサイト構築の提案、業務管理などを、自社でクラウドやサーバ環境を整えることなく、容易に実行できるようになる。
また、Six Apart UNIBaaSを利用すればユーザー企業は顧客ごとに個別の環境で、クラウド型Movable Typeを自動生成でき、それらのクラウド型Movable Typeの試行、試行の継続、検証環境の提供が実現する。同社は既にクラウド化したMovable Typeである「Movable Type EZ」を投入しているが、課題があった。「Movable Type EZ」のアップデートは自動実行されるが、エンドユーザー側が状況によりアップデートを遅らせたいと望んでも実行されてしまう。便利である一方、アップデートごとにプラグインが動作しなくなる可能性があった。
そこで「Six Apart UNIBaaS」では、「ProNet」会員企業が自社で作成したクラウド型Movable Typeのバージョンを任意のタイミングで、手動アップデートできるようにして課題への回答を用意した。
さらに、ユーザー企業が作成したクラウド型Movable Typeの複製を構築できる。Movable Typeのバージョンアップを行う場合、あるいは新しいプラグインをインストールする際などに、複製した環境でテストすることが可能になる。複製環境は12時間までは無料で使うことができ、有償による継続利用にも対応している。
業務支援機能としては、見込顧客獲得から納品までWebサイト制作業務の管理プロセスを支援するほか、顧客の購入期待値や予実分析といった評価尺度の検証機能を提供している。またMovable Typeに使用状況を見える化しており、記事投稿数、アイテムアップロード数などが定量的に示されるため、ProNetの会員企業は、顧客のために構築したデモサイトの実際の利用状況を把握でき、提案、営業活動に役立てることが可能だという。
シックス・アパートの代表取締役CEO 関信浩氏
シックス・アパートの代表取締役CEO 関信浩氏は「当社は、ProNetの加盟企業を通じて、製品やサービスを提供している。これらパートナー企業にとっては業務効率化が重要であり、我々がソフト、サーバ環境を組み込み、デザイン、アセンブリし、パートナーがすぐに使える環境を届けることで、パートナーはクラウド環境整備の手間が省け、販売促進などにリソースを割ける」と述べ、業務効率化とともに販売支援にも力点を置いていることを強調した。
ProNet法人会員は「Six Apart UNIBaaS」を基本的に無料で利用できる。「ProNet会員の特典」(シックス・アパート 事業開発 システムコンサルタント 作村裕史氏)と位置づけられている。顧客ごとに提供するクラウド型Movable Typeは、PaaS(Platform as a Service)テンプレートと3種類のクラウドタイプの組み合わせで作成される。クラウドタイプは、IDCフロンティアの提供する基盤で1CPU、メモリ0.5GBで月額4725円(税込み)から。