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東海地域の海南病院、サーバルーム刷新--小型UPSを集約、水冷で冷却

怒賀新也 (編集部)

2013-12-16 16:37

 東海地域の主要医療機関の1つ、海南病院が高度救急救命センターを含めた大型改築工事にあたり、サーバルームの効率化を図っている。サーバルーム効率化のための製品群を提供したシュナイダーエレクトリックが12月16日に明らかにした。

 海南病院は愛知県西部に位置し、三重県北部地域を含めた広域の高度医療を支える基幹病院。2013年には地域で初めて高度救命救急センターの稼働を開始した。

 従来はシステムごとに必要になる機器やラックを導入してきたため、サーバルームには多数のベンダーのラックが乱立していたという。システムに付随する小型の無停電電源装置(UPS)も多く設置しているため、電源効率の低さや管理性の悪さが課題となっている。また、床下に配線を通すための「フリーアクセス」を設置していたが、サーバラックは重量があるため、システム変更のたびに床下への施工が発生するため、費用面での負担も大きかった。

 この課題の解決を含め、システムや運用環境を見直し、効率的なサーバルームの構築に着手した。そこで、UPS、ラックシステム、空調機、統合監視管理などでシュナイダーの製品を選択した。

 新たなサーバルームに導入したのは、ラックシステム「NetShelter SX」とラック列に設置する水冷方式の冷却システム「InRow RC」を組み合わせ、サーバの排熱だけを集めた空間である“ホットアイル(暖気)”を閉じ込める「HACS(Hot Aisle Containment System)」。InRow RCは、熱源であるサーバの近くで冷却するため、据置型の全体空調に比べて高い冷却効率を実現。運用費を含めたコスト全体でも空冷を大きく下回るという。

 HACSはラック列に天井を持つため、配線をラック上にまとめることができ、フリーアクセスの設置も不要で、低いコストで大きな荷重に耐える床を構成することが可能になったという。また、サーバラック用免震装置とNetShelter SXを組み合わせることで、高い耐震性も確保。

 もう1つの刷新の柱である電源の再構築についても、システムごとの小型UPSを集約する「Symmetra PX」を中心に効率化を図った。これまでは小型UPSをシステムごとに導入していたため、バッテリ交換の時期もそろわず、個別で管理していたが、Symmetra PXに統合したことで障害ポイントや管理ポイントの大幅削減が可能になったとしている。

 新しいサーバルームではSymmetra PX 40kVA/40kWを2台組み合わせることで、80kVAの電源容量を確保できた。これを2セット用意し、冗長化された2系統の電源を設置。どの部分に障害が発生してもシステムの動作を止まらないような環境を実現する。

 一方で、電源やスペースの効率的な活用については、統合監視管理ソフトウェア「StruxureWare Data Center Expert」で実施した。電力をリアルタイムで管理することで、消費電力やラックスペースの管理性が向上し、サーバルームの効率的な運用を図る。

 海南病院は、今回の大型工事を全ての病棟の完成と移行までに数年をかける大プロジェクトと位置づけ、ITの集約と効率化の課題に取り組んでいくとしている。

 海南病院の医療情報室室長、田村茂幸氏は「今回の改築で電源の安定性という視点では万全の対策を取れました。以前は配電盤単位でしか消費電力を管理できていませんでしたが、製品群の導入でラック単位で正確な消費電力を把握できるようになりました。今後はこの環境を効率よく活用していくという課題に取り組み、院内のIT全体の効率化を進めるため、今後も個別システムの集約を進めていきます」とコメントしている。

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