Adobeは米国時間10月6日、同社のモバイルアプリケーションをアップデートし、「Creative SDK」のベータ版をリリースした。また、「Creative Profile」のクラウド共有を強化し、フォントや色などの設定を複数の端末および画面上で共有できるようにした。
今回の変更すべてに共通する概念は、プロフェッショナルのクリエイターらが、スマートフォンやタブレットをはじめとするモバイル端末の画面でデザインを開始し、デスクトップやノートPCで作業を完成できるようにしようというものである。
Adobeによる一連の最新の動きにおいて重要な点は、同社がモバイルアプリとデスクトップアプリのエクスペリエンスとワークフローにつながりを持たせたことにある。
「Creative Cloud」担当シニアマーケティングディレクターを務めるScott Morris氏は、6日に発表されたアップデートは、2014年6月の拡張を補足するものだと述べた。「クリエイターらは携帯端末上で作業したいと考えている」とMorris氏は述べた。「当社のモバイルアプリの名称を、対応するデスクトップアプリに合わせた」(Morris氏)
そのクリエイティブなワークフローをつなげるために、Adobeは自らを、プロフェッショナルのクリエイターらのための設定およびID管理者と位置づけている。同市場とクリエイターらが使用するツールにおけるAdobeの支配状況を考えれば、今回の動きは理にかなっている。
Adobeが考えるクラウドにおける同社の役割
Adobeは設定やプリファレンスを中央のクラウドライブラリに接続する。
ここから、Adobeはこれらの設定やプリファレンスを中央のクラウドライブラリに接続する。
ライブラリによって、9つのアプリが互いにつなぎ合わされる。これらのアプリは、今回新たに提供されたかアップデートされたもので、それぞれ対応するデスクトップアプリと一致している。
これらのライブラリによって、9つのアプリが互いにつなぎ合わされる。
Adobeのクリエイティブアプリケーション間をつなげるのは、Creative Profileと呼ばれるものである。これによって、画像、動画、シェイプ、デザインライブラリといったすべてを、Creative Cloudに保存することができる。Creative Profileは、サードパーティーアプリにも開放される。
またMorris氏によると、Adobeは「Windows」のサポートを強化し、「Photoshop」や「Illustrator」といった同社のクリエイティブアプリケーションをタッチ操作や感圧ペン向けに最適化したという。簡単に言えば、AdobeのCreative Cloudは将来的に、Microsoftの「Surface 3」と連携する予定だということだ。
Adobeによるアプリ大刷新は前途有望に見えるが、同社のモバイルアプリケーションは現時点ではAppleの「iOS」でしか使用できないことに言及しておかなければならない。Creative SDKによってこの状況が変わる可能性がある。Adobe幹部らは、同社が「Android」とWindows版に取り組んでいると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。