アイ・ティ・アール(ITR)は10月27日、従業員数が100人以上の国内ユーザー企業担当者242人が答えたPC環境に関する調査の結果を発表した。企業利用では、当面Windows 7が主流OSであり、標準的なPC入れ替え年数は4年以上5年未満、ブラウザではMicrosoft Internet Explorer 10(IE10)がシェア4割を超えるなどの結果が出た。
企業PCで最も利用されているOSは、Windows 7が74.4%だった。1年前の2013年6月に実施したという調査結果(有効回答300件)では、Windows 7およびWindows XPがいずれも4割を超えて全体を二分していたが、4月のWindows XPの延長サポート切れを反映して、企業での移行が大きく進展し、その大半はWindows 7に流れたと説明している。
調査では、Windows 8/8.1への移行は進んでおらず、企業利用では、当面Windows 7が主流OSとなると予想している。
<図1>企業で最も利用されているクライアントOS
企業での標準的なクライアントPCの入れ替え時期に関する設問では、「4年以上5年未満」が約4分の1を占めて最多の回答となり、この点は2013年の調査結果と同様だった。しかし、今回の調査では4年未満で入れ替える企業が過半数を占めており、2013年の調査時よりも短サイクルで入れ替える企業の割合が増加傾向にあることがわかった。なかでも「1年未満」および「1年以上2年未満」と非常に短い期間で買い替えるとする企業が増加し、それぞれ1割前後を占めているとした。
これは、ワークスタイルの変化やモバイル利用機会の増加に伴って、企業の標準PCとして持ち運びが可能なノートやタブレット型などのさまざまな形状のものを試していることが要因とITRは分析している。
<図2>企業におけるクライアントPCの入れ替え時期
企業が最も多く利用しているブラウザでは、IE 10が37.6%を占め最多となり、次いでIE 9(21.1%)、IE 8(18.2%)となった。2013年6月の調査では、IE 10は6.7%と少なかったものが、30ポイント超の伸びを示し、代わって2013年30%を超えていたIE 8とIEV9がいずれも数字を落とした。
また、IE 6については、6.0 SP3のサポートが4月に終了したことが影響してか、利用も2013年の9.1%から3.7%へと縮小した。さらに、FireFoxやGoogle Chromeは2013年の調査時よりも若干の伸びは見られるものの、依然として5%を下回る値にとどまっているという。
<図3>企業において最も多く利用されているブラウザ