2014年の世界市場では、PCの出荷が落ち込みを続ける一方、「iPad」の出荷が減少したことも一因となり、タブレットの成長が急激に減速している。
調査会社IDCが米国時間11月25日に発表した新しい数字は、PC市場の縮小の方が大きいが、出荷が大きく落ち込んだタブレット市場で楽観できる材料がさらに減ったことを示している。
2014年の世界PC出荷予測は前年比2.7%減で、以前の予測の3.7%減から改善したのに対し、タブレットの出荷数予測は前年比52.5%増からわずか7.2%増に落ち込んだ。
IDCの調査員らによると、これにはiPadの年間出荷数が初めて減少することと関係があり、2010年のiPad発売で開拓されたタブレット市場では従来iPadの出荷数が原動力だったという。
こうした変化を当然のように受け止めたIDCのRyan Reith氏は、報告の中で、「(タブレット市場は)関連市場におけるいくつかの主要トレンドの影響を受け続ける」と述べた。同氏はまた、タブレット所有者がデバイスを3年以上使い続けるようになっており、アップグレードのサイクルが相当長くなっていると付け加えた。
「われわれは、タブレットのライフサイクルが予想より長くなった主要因は2つあると考えている。比較的古い製品に対し、特に『iOS』内において、旧ソフトウェアのサポートが行われたことと、多種多様なコンピューティング作業においてスマートフォンの利用が増加したことだ」(Reith氏)
2014年のタブレット市場をOS別にみると、「Android」が出荷数1億5950万台、市場シェア67.7%で首位に立っている。
これに対しiPadは2014年、出荷数6500万台、市場シェア27.5%となっている。ただし調査の数字は、iPadの成長率が前年比で13%近く減少していることを示している。
「Windows」搭載タブレットは、出荷数が1090万台で前年比67%以上増加し、市場シェアは4.6%となっている。
報告書には、PCの出荷数が2014年に5%減少すると予想されるが、タブレットからのプレッシャーは「弱まっている」と記されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。