音沙汰がなくなった「Google Glass」--不安視されるグーグル製ウェアラブルの未来

Zack Whittaker (ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル 2014年11月21日 06時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ほとんどの人は「Google Glass」や同製品に関する話を何カ月も前から全く耳にしていないはずだ。そのため一部では、2012年に鳴り物入りで発表されたGoogle Glassは今も存在しているのか、このウェアラブルに未来はあるのか、という疑問の声があがっている。

 筆者が自分のGoogle Glass(自分で購入したものだ。考えが甘いと思われても仕方がない)を最後に手に取ったのは、2週間前の週末のことだ。実は引っ越しの際に手に取ったのだが、保護ケースから取り出すことさえしなかった。梱包して、新居に移し、箱から出しただけだ。

 Google Glassはどこへ行ってしまったのか。現状はどうなっているのだろうか。

 Reutersも米国時間11月14日、同じ疑問を呈した。Google Glassのかつての広告塔で、責任者でもあるSergey Brin氏でさえ、同デバイスを着用していない姿を目撃されている(同氏は先ごろ、Google Glassをかけてビーチに出かけたが、メディアイベントでは着用しなかった)。

 混雑したニューヨークシティの地下鉄で同氏がGlassを着用した日々は、遠い昔の出来事になってしまったのか。そうなのかもしれない。

 Google Glassは約1年半前に登場して以来、ずっと放置されてきた。当初はバッテリ持続時間やアプリの不足といった問題を抱え、解決すべき特定のペインポイントもないままテスターや開発者に渡されたにもかかわらず、ウェアラブルテクノロジ分野に割って入った初の主要メインストリーム製品として、大いに賞賛された。

 現在に話を戻そう。今やあらゆる企業とそのパートナー(と競合企業)がウェアラブルデバイスを開発している。現在のウェアラブルの大半は、手首に装着するタイプで、健康とフィットネスの難題を解決しようとしている。クラウドベースのサービスやデータアナリティクスと組み合わせることで、大量の総合的なヘルスケアモニターを自由に利用できるようになる。

 Google Glassは現状では何も成し遂げることができていない。ただ、ヘルスケアや建設といった一部の垂直業界において、自ら現場に行けない人の目と耳になってはいる。

 しかし、課題、方向性、開発者向けのロードマップを明確にし、公にしなければ(近年はこれがほとんどのスマートフォンプラットフォームの原動力になっている)、Google Glassは静かに終わりを迎えることになりそうだ。

 ReutersはGoogle Glass向けアプリケーションを開発していた開発者を対象に調査を実施したが、その後、対象となった開発者の半数以上(16社中9社)が顧客の不足や現状のGlassのさまざまな制約を理由にプロジェクトを中止したという。Google Glassの生みの親で、自動運転車などの次世代技術開発を手がける秘密主義の「Google X」部門の統括者でもあったBabak Parviz氏が、2014年に同社を去って競合のAmazonに移ったとき、警鐘が鳴り響いた。

 Glassプロジェクトは存続できるのか。Googleはできると考えている(当然そうだろう)。

 Google Glassの事業運営を統括するChris O'Neill氏はReutersに対し、Googleは「ウェアラブルと、特にGlassが象徴する機会に、これまでと同様に大変なエネルギーを傾けている」と述べた。

 米ZDNetはGoogleにいくつか質問したが、本稿執筆時点で回答は得られていない。

 もしかすると、今は単に静かな時期というだけで、何も心配することはないのかもしれない。しかし、開発者がいなければ、Google自体のGlass開発も前に進まなくなってしまう。何と言っても、革新とアイデアの半分は開発者によってもたらされるからだ。

 2014年も間もなく終わろうとしている。GoogleのBrin氏は2014年の発売を望んでいたが、それが実現する可能性は限りなく低いだろう。何らかの重要なニュースが届くのは、早くても2015年になりそうだ。

 現状がどうであれ、Google Glassはまだ生きている。しかし(残念ながら)、その未来がどうなるのかは依然として不明だ。

figure_1
提供:ZDNet/CBS Interactive

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
展望2017
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算