テクノロジは動く標的のようなものである。それは2015年も変わらない。つまり、2014年の終わりから2015年にかけて増加しつつある仕事やスキルの最新情報を把握しておく必要があるということだ。
担当業務というよりもむしろ、具体的なスキルについて言えるのは、気を抜かずにいるのが重要だということだ。IT業界団体CompTIAの製品管理担当シニアディレクターであるJames Stanger氏は、1つのテクノロジを選び、そのテクノロジの次の段階について学ぶことを勧めている。
Stanger氏は次のように、いくつかの例を挙げた。「『Windows』のみのシステムで作業をしているのなら、Windowsの次期バージョンや、次のWindows仮想化の傾向、あるいは作業をしているシステムのセキュリティ面などについて勉強を始めるといい。あなたがセキュリティ担当者で、オープンソースに関するものについて非常に詳しいのなら、その反対側がどうなっているか知るためにも、プロプライエタリツールを調べてみることを勧める」
一部の企業は、従業員にトレーニングをしても、彼らが昇給を求めたり、もっと良い仕事を探したりできるようになるだけだと心配しているが、Stanger氏は、Dellやリコーといった、より大きな企業とのやり取りから、そうした企業は従業員への研修が忠誠心を生み出すということに気づいていると述べた。つまり、「従業員にトレーニングをして、よそへ行ってしまったらどうするのか」という疑問に対するStanger氏の答えは、「従業員にトレーニングをしないで、彼らが会社にとどまってしまったらどうするのか」ということになる。
もちろん、従業員にはオンラインコースが豊富にある。ニューヨークの人材サービス会社Infinity Consulting SolutionsのパートナーであるMatt Walden氏によると、自己学習が新しいスキルを身につけるためのアプローチとしてますます一般的になってきているという。
「自分の会社がオンラインコースを採用しているなら、それを利用すればいいし、会社が採用していないなら、自分で始めればよい」(Walden氏)
この記事では、2015年に重要になる5つの業務とITスキルを紹介する。
デスクトップサポート
デスクトップサポートは、IT部門では最も基本的な役割の1つであるが、その様相は10年前や20年前とは同じではない。Stanger氏は、デスクトップサポートは、かつてはPCの修理のことだったが、今ではネットワーク接続問題のトラブルシューティング、ログイン問題の解決、正常に機能しないアプリケーションへの対応へと、内容が変化していると語る。
「スキルセットの移行と変化が起こり、それが進歩している」(Stanger氏)
この変化の理由の1つは、PCが低価格になったことで、PCが壊れても、携帯電話と同じで、一般的には修理はしないためだとStanger氏は述べている。
人材サービス会社Robert HalfのエグゼクティブディレクターJohn Reed氏は、デスクトップサポートへの需要が増えてきている別の理由として、企業にさまざまな新しいテクノロジが絶えず導入されていることを挙げている。
「コンピュータ環境はますます複雑になっている。新しいテクノロジが登場し、多くの企業のIT環境には、多くのツールなどが導入されている。企業が必要としている人材とは、こうしたツールの効率を最大化するだけでなく、人々が実際にそれを使えるよう手助けし、そのテクノロジを日々の仕事に違和感なく取り入れられるようサポートする人材だ」(Reed氏)