リーダーを務めていると、孤独を感じることがある。さまざまな活動に追われ、大勢の人々からアドバイスや助けを求められるにもかかわらず、だ。相矛盾する曖昧な目標や、決して実を結ばないように思える機会、そしてかなりの時間を費やしたにもかかわらず目に見える結果を生み出さない活動などが原因で、行き詰まりを感じることもある。
ちょっと散歩に出かけたり、目の前の仕事を少し中断したりするだけで、頭がすっきりし、本当に必要とする集中力を取り戻せる場合もあれば、うつやパニック、何カ月も続く全身の倦怠感のような症状に陥る場合もある。本記事では、自分が行き詰まりを感じているときにそれを自覚し、回復するために何をしていけばよいのかを解説する。
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状況を変える
最初の一歩は、問題を認識し、その問題を軽減していくために、自分の置かれた状況を変えることだ。行き詰まりは知らぬ間に生じていることがある。なぜなら、行き詰まった状態でもいつもと同じように仕事や個人的義務を果たせることが多いからだ。しかし、それは形式的には仕事をしていても、苦境に陥るのを避けるために最低限のことをやっているに過ぎないのかもしれない。その場合、仕事と個人的な義務が増していくにつれて、行き詰まり感は高まる一方になる。
自分が行き詰まっていることを示す、自分だけの合図を理解しよう。筆者の場合、それはたいてい寝付きが悪くなったり、長期的なことに取り組むモチベーションがなくなったりすることだ。朝ベッドから出るときに若干の不安を感じたり、今から始まる1日にあまり興奮を覚えなくなったりすることがその合図である人もいるかもしれない。
同僚や友人、配偶者から、疲れているのではないか、大丈夫かとよく聞かれるようになったことに気づくまで、自分が行き詰まっていることを自覚できないケースもある。コンピュータや携帯電話、デバイスから離れた自分の時間を少し作ってみて、自分がどう感じているか、そして、自分が行き詰まっているかどうかを評価してみよう。自覚が問題を軽減するための鍵となる。
ワークライフバランスという大きな嘘
全従業員に対して、おそらく悪気はないであろう人事部が行ってしまった最大の騙し行為ともいえるものの1つが、ワークライフバランスという概念だ。人間は自分の仕事関連の活動と個人的な活動を簡単に区別し、毎月の予算を配分するかのように、それら2つの活動の間で時間を慎重に配分できるとされている。しかし、1人の人間が生きる人生は1つであり、それは人事部関係者が言うように、楽しく陰陽に分けられるようなものではない。人生は仕事と生活が入り混じった混沌としたものであり、仕事と生活の量は絶えず変化している。