「Android」を標的とする新種のマルウェアが多くのアプリに埋め込まれていることを、研究者らが発見した。これらのアプリは、「Facebook」「Snapchat」「Twitter」など人気の高いアプリになりすましているという。
さらに、このマルウェアを削除することはほぼ不可能で、ユーザーはデバイス本体を交換せざるを得なくなる。
カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くモバイルセキュリティ企業のLookoutは、いわゆる「トロイの木馬型アドウェア」を発見した。このアドウェアは、サイバー犯罪者らが利益を生み出す方法に新たな工夫を加えているという。
悪意のある攻撃者は、「Google Play」ストアから正規のアプリを取得して、このアプリにアドウェアを組み込んで再パッケージ化し、サードパーティーのアプリストアに公開する。多くの場合、これらのアプリはすべての機能が使える状態で、デバイスの所有者に警告を出すこともない。
仕組みはこうだ。ユーザーがサードパーティーのストアからアプリをインストールすると、アプリはルート権限を自動で取得し、デバイスシステム全体へのアクセス権を手に入れる。この行為自体、Androidのセキュリティに穴を開けるもので、ハッカーが攻撃をしかける新たな道を開いてしまう。その後は定期的にアプリ内で広告が表示され、攻撃者が利益を得る。
Lookoutはブログで次のように述べている。「これらのアドウェアはデバイスのルート権限を取得し、自らをシステムアプリケーションとしてインストールするため、削除するのが不可能に近くなる。通常、正常な状態に戻すには、被害者はデバイスを交換しなければならない」
Lookoutによると、Androidの公式アプリストアであるGoogle Playからアプリをインストールしたユーザーが影響を受けている様子はないという。