IT業界に短期間でも身を置いた経験があれば、その仕事は大変であるものの、やりがいがあると分かっているはずだ。事業運営を支えるだけでなく、人々をまとめ、彼らの日々の仕事をスムーズにするために手を差し伸べられるようになるのだ。その過程で、さまざまな現場の人々と接することになる。そしてやり取りを通して、人間関係というものの理解を深め、実践に役立てていけるようになるはずだ。また、日々の仕事を彩る興味深い経験も得られるだろう。
いずれにせよ、IT業界で仕事をしていくうえで、人について学ぶべきことが数多くある。本記事では、筆者がIT業界で働いていた時に学んだ、人に関する10のものごとを解説する。あなたも既に似たような経験をしているかもしれない。そうでない場合、以下の経験ができるのを楽しみにしておいてほしい。
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#1:人はとにかく自らの仕事を完了させたいと考える
これは極めて当たり前の話だが、ITプロフェッショナルであれば頭にたたき込んでおく必要がある。あなたと同様、すべてのエンドユーザーは、面倒なことはできるだけ避けて仕事を完了させたいと考えている。エンドユーザーが壁にぶつかると、その仕事は停滞するのだ。仕事が停滞すると、マネジメント層から「なぜ停滞しているのだ?」と叱責される。そういった停滞を起こさずに仕事を続けられるエンドユーザーもいるが、ある種のパニックを引き起こすエンドユーザーもいる。このことを理解しておけば、日々のIT問題でもっと容易にエンドユーザーに手を差し伸べられるようになるはずだ。
#2:人はあなたが考えている以上にあなたを尊敬している
われわれは皆、スキルを有している。経理担当者のPCがオフラインになったために復旧作業をしていると考えてほしい。あなたはその担当者がDHCPリースを取得し直すコマンドを知らないというだけで馬鹿にするかもしれないが、あなた自身は買掛金と売掛金という言葉が何を意味しているのか見当も付かないかもしれない。しかし結局のところ、彼らエンドユーザーはIT部門を高く評価している。そして、あなたは彼らと彼らの仕事の間の仲立ちをする役割を担っている(#1を思い出してほしい)。さらに、一般的な人はIT分野の知識が豊富な人間に敬意を払う。われわれは彼らから見れば「魔法を生み出す人種」なのだ。
#3:人はテクノロジの仕組みを完全に理解していない
多くのITプロフェッショナルはこの点を理解していない。しかし、あなたも経理関係の知識を担当者ほどには持っていないということを忘れてはいけない。IT分野で仕事をしていない人々はほとんど、テクノロジの仕組みを理解していない。実際のところ、恐れている人もいる。何かがおかしくなったと感じた時に、適当なボタンを押してみようとするユーザーがいるのは、このような理由があるためだ。適当なボタンを押してみても問題が解決するわけではないが、テクノロジに対する知識がほとんどない場合、これは当たり前の行動となる。この点から言えば、ユーザーがテクノロジ恐怖症を克服するために手を貸すというのは、あなたのためにもなるはずだ。