MM総研は12月13日、国内クラウドサービス市場規模の2015年度(2015年4月~2016年3月)の実績と需要動向に関する調査結果を発表した。
この調査は、クラウドサービスを導入済み、または検討中の企業1373社を対象に、2016年10~12月にかけて同社が実施したアンケートをもとに取りまとめた。
2015年度の国内クラウドサービス市場は、前年度比33.7%増の1兆108億円となり、初めて1兆円を突破した。企業システムのクラウド移行が加速しており、2018年度には2兆円を超え、2020年度には3兆円を超えると予測する。
パブリッククラウド(SaaS、PaaS、IaaS)の2015年度の国内市場規模は2756億円で前年度比19.8%増加した。IaaSとPaaSの成長により、2020年度には2015年度比2.3倍の6238億円に達すると予測する。
プライベートクラウド(ホステッド、オンプレミス)の2015年度の国内市場規模は7352億円で前年度比39.7%増加した。ホステットプライベートクラウドの拡大により、2017年度には1兆円を超え、2020年度には2015年度比3.8倍の2兆7644億円になると予測する。
パブリッククラウドのIaaS/PaaSを利用している企業223社が導入しているサービスとしては、Amazon Web Services(AWS)が34.1%で最多、Microsoft Azureが20.2%で2番目、Google Cloud Platform(GCP)が10.8%で3番目に続く。
また、パブリッククラウドのIaaS/PaaSを検討する企業129社においては、Azureが最も多く選ばれた(25.6%)。2番目にはAWS(20.2%)、3番目には富士通(16.3%)が入っている。
ホステッドプライベートクラウドの利用ユーザー390社では、NTTコミュニケーションズの「Enterprise Cloud」が19.2%で最も多く、富士通(18.2%)、IBM Bluemix(17.2%)を続く結果となった。
パブリッククラウドのIaaS/PaaSはスケールメリットを生かすグローバルベンダーが上位を占め、国内ベンダーはプライベートクラウドの領域で生き残りをかける構図が鮮明になってきている。