SAPジャパンは2月13日、同社のAI(人工知能)戦略についての記者会見を開催した。同社が高いシェアを持つ統合基幹業務システム(ERP)などからデータを集め、機械学習をはじめとする分析技術を使って業務効率の向上や競争力の強化を目指す。
同社はIoT(モノのインターネット)、機械学習、アナリティクス、ビッグデータ、ブロックチェーン、データインテリジェンスといった技術要素群を「SAP Leonardo」と呼ばれるブランドでまとめ、同社のERP製品群と連携させる“インテリジェントエンタープライズ”を戦略的に打ち出している。
「現在、企業における機械学習の活用領域は局所的である。企業の柱となる基幹システムで利用できれば、すぐに価値を得られるのではないか」と常務執行役員 デジタルエンタープライズ事業副統括 宮田伸一氏は強調した。
常務執行役員 デジタルエンタープライズ事業副統括 宮田伸一氏
具体的には、「SAP S/4HANA」「SAP Hybris」「SAP Success Factors」「Concur」など事業を運営していく上での基盤となる業務システムからヒト・モノ・カネに関する情報を集め、Leonardoに機械学習させることでインサイトを発見、業務の効率化や生産性の向上、新規事業の創出などを支援する。S/4HANAなどのシステム自体にも、機械学習に対応したアプリケーションを組み込んでいる。
記者会見では、機械学習の適用例の一つとして、経理部門における入金消込業務の自動化が紹介された。「SAP Cash Application」は、機械学習の技術を使って未処理請求書の債権と入金を自動で照合するクラウドサービス。経理担当者の作業履歴からパターンを学習、反復的な消込プロセスを自動化し精度を向上させる。
プラットフォーム事業本部 エバンジェリスト 松館学氏
SAP S/4HANAから新しい入金情報や未処理の請求書情報を取得し、ルールに一致するものは自動処理し、確認が必要なものは担当者にレビューを促す仕組みとなっている。これにより、経営部門の業務負担を軽減し、余った時間をより戦略的なタスクやサービスに集中させることが可能になるとしている。
Leonardoの機械学習技術は、「SAP API Business Hub」経由でサービス提供される。「テキスト」「画像/動画」「スピーチと音声」「表形式のデータ」という4つのカテゴリで構成される。企業利用を前提とした事前定義型の機械学習サービスであるのが特徴とする。