デル テクノロジーズ(デルおよびEMCジャパン)は6月20日、同社のオープンネットワーキング戦略に関する説明会で、米国時間4月26日に発表したBig Switch NetworksとのOEM契約締結に関して詳しい説明を行った。
Dell Technologies Asia Pacific & Japan ネットワーキング事業担当ゼネラルマネージャーのShankar Subramanian氏
米Dell Technologies Asia Pacific & Japanのネットワーキング事業担当ゼネラルマネージャーのShankar Subramanian氏は、同社のIAサーバー製品「PowerEdge」をベースとした「オープン・ネットワーキング・ハードウェア」とSDNコントローラーソフトウェアの組み合わせで実現されるオープンネットワーキングへの取り組みを紹介し、同社がデータセンターからキャンパス/ブランチ、エッジまでの全領域をカバーする製品ポートフォリオを持っているとした。
デルにおけるオープンネットワーキング製品のカバー範囲(出典:デル)
同社のオープンネットワーキング戦略は2014年1月にスタートしているが、同年4月には早くもBig Switch Networksとのパートナーシップについて発表が行われており、初期から両社の協力関係が構築されていたことを明かした。ちなみに、買収前のVMwareとも同年8月にこの分野でのパートナーシップが発表されており、DellはSDN分野に関して、早い時期から主要なプレーヤー各社とパートナーシップを確立し、選択肢を拡大する方向で取り組んできたことがうかがえる。
Dell EMCとBig Switch Networksの製品ポートフォリオの組み合わせ。Big Cloud Fabric(SDNコントローラー)とBig Monitoring Fabric(モニタリング)がDell EMC製品として提供される(出典:デル)
今回のBig Switch NetworksとのOEM契約締結は、同社にとってこの分野における最初のOEM契約だといい、両社の密接な協力関係をさらに深めるものとされている。契約によって、Big Switch Networksの中核製品である「Big Cloud Fabric」および「Big Monitoring Fabric」が同社製品として販売されることになり、ユーザー企業にとっては購買/サービス/サポートの全ての窓口をデルに一本化できるメリットが生まれる。また、現状でデルは、Big Switch Networks製品の日本語でのサポートを提供できる唯一のベンダーだという。
Big Switch Networksの製品概要にBig Switch Networks バイスプレジデントのSusheel Chitre氏は、同社の“Network OS”のアーキテクチャーについて、従来のネットワーク機器がプロプラエタリなハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現されていたのに対し、SDNなどのオープンネットワーキングの取り組みにより「オープンネットワーキングハードウェア」と「ネットワークOS」ソフトウェアの組み合わせで置き換えられるようになったが、まだ複雑性が完全には排除されていなかったと指摘した。
従来型ネットワーキングとオープンネットワーキング、Big Switch Networksのアーキテクチャーの違い(出典:デル)
同社のソフトウェアスタックでは、SDNコントローラーと軽量なネットワークOS(Light weight Network Operating System)が分離されたことで、他のオープンネットワーキングソリューションに対するアドバンテージが得られたという。
最後に、デルテクノロジーズ ネットワーク事業部長の西澤均氏が、同社のオープンネットワーキング向けスイッチ製品の名称を、PowerEdgeサーバーのとの関連性を明確にする意図から「Dell EMC PowerSwitchシリーズ」に変更したことを紹介した。なお、PowerSwitchシリーズは基本的にはハードウェア製品であり、Big Switch Networks以外にもさまざまなSDNソリューションをサポートしており、ユーザーは任意のソフトウェアと組み合わせて利用できるという点については、OEM契約以前と変更はないという。
Dell EMCのオープンネットワーキングハードウェア製品の新名称とサポートされるSDNソリューション群(出典:デル)