HTTPプロトコルの次期メジャーバージョンであるHTTP/3は米国時間9月26日、大きな後押しを受けた。CDN大手のCloudflareとGoogleの「Chrome Canary」が対応し、Mozillaの「Firefox」も近く対応するためだ。
Cloudflareは26日より、ダッシュボードでオプションを有効にすることで、顧客は自分のドメインをHTTP/3に対応させられるようになると発表した。
これはつまり、ユーザーがHTTP/3に対応したクライアントからCloudflareがホスティングしているウェブサイトを訪問すると、接続は旧バージョンのHTTPで処理されるのではなく、自動的にHTTP/3にアップグレードされるということだ。
ブラウザーでは、GoogleのChrome Canaryが9月に入ってHTTP/3に対応した。ユーザーは「--enable-quic --quic-version=h3-23」というChromeのコマンドラインフラグを使用してHTTP/3を有効にできる。
Google Chrome Canary just became the first (available) browser to integrate (very) experimental #QUIC and HTTP/3 support!
— Robin Marx (@programmingart) 2019年9月19日
Add flags "--enable-quic --quic-version=h3-23" and you should see "http/2+quic/99" show up in the devtools, which is actually http3 in disguise! pic.twitter.com/5Fhui46h3x
さらに、MozillaもHTTP/3に対応すると発表した。Mozillaは2019年秋にリリース予定の「Firefox Nightly」次期バージョンでHTTP/3に対応するとみられる。
HTTP/3は、コンテンツをサーバーからクライアントのブラウザやモバイルアプリといったアプリに向けて移動させる際に用いられるプロトコルである、HTTP(HyperText Transfer Protocol)の3代目となるメジャーバージョンだ。
HTTP v3、すなわちHTTP/3は、以前のバージョンとはありとあらゆる点で異なっている。HTTP/3は、TCPプロトコルを利用しているHTTPを完全に書き換えて、QUIC(Quick UDP Internet Connections)プロトコルを利用するようになっており、TLS(Transport Layer Security)による暗号化サポートがあらかじめプロトコル内に埋め込まれてもいる。
HTTP/3は複数の技術を組み合わせており、いずれもウェブサイトの読み込みを高速化し、デフォルトで接続を暗号化することを目的としている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。