キヤノンMJと第一生命保、保険業務を簡略化するソリューションを共同構築

ZDNET Japan Staff

2019-10-08 06:00

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は10月7日、第一生命保険(第一生命)と保険業務の契約と保全業務の手続きを簡略化するデジタルソリューションを共同構築したと発表した。RPA(ロボティックプロセスオートメーション)による定型業務の自動化にとどまらず、業務プロセス全体の最適化を志向した取り組みとしている。

 キヤノンMJによれば、構築したソリューションは2つある。1つは、保険の契約手続き時に健康診断結果が必要な場合には撮影した健康診断の結果を自動的にテキストデータ化し、すぐに本社へ送信することによって、その場で顧客に医的査定の結果の見込みを提示できる生命保険業界初の仕組みという。ここで同社は、タブレット端末のカメラで撮影した画像をOCR(光学文字認識)データとして取り込む「モバイルキャプチャー」や「非定型OCRソリューション」をカスタマイズして、業務システムと連携するようにした。

 もう1つは、スカイコムとの協業で、名義変更や保険料の払い込み方法の変更といった手続き上の使用頻度の高い帳票をデジタル化して画面上で署名できるものになる。一度の署名で複数の手続きが可能な一括請求機能や本人確認書類などの預かりが不要になる本社への即時送信機能を実装しており、不備や手続きまでの時間などを減らす。

ソリューションイメージ(出典:キヤノンマーケティングジャパン)
ソリューションイメージ(出典:キヤノンマーケティングジャパン)

 これらのソリューションを利用した第一生命では、約1000万人の保険契約者のデータと約200帳票のデジタル化を果たし、紙の書類と同様な操作感による使い勝手や手続き時間の短縮などを確認、顧客や営業員から高い評価を得たとする。今後も顧客の利便性向上と紙文書の保管コストの削減、受付や点検・入力対応といった後続業務の効率化を図っていくという。

 キヤノンMJは、働き方改革によるRPA導入では、定型業務の自動化だけでなく、業務全体のプロセスの効率化や最適化が課題だと指摘。定型業務やルーチン業務のデジタル化、自動化だけでなく、業務プロセスの全体最適を目指すソリューションを展開していくという。

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