LINE(新宿区)は1月22日、機械学習をベースにした人工知能(AI)を活用する「LINE BRAIN」のチャットボット「LINE BRAIN CHATBOT」、光学文字認識(OCR)「LINE BRAIN OCR」をSaaSとして提供すると発表した。親会社となるNAVER傘下のNAVER Business Platformのサービスとして、韓国リージョンからマルチゾーン提供されている「NAVER CLOUD PLATFORM」で同日から提供する。
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BRAIN CHATBOTは、日本語や英語、韓国語に加え、タイ語、インドネシア語をカバー。単語やキーワードに限定されず、日常の会話調による問いかけも対応できるという。2000件の登録シナリオの正答率を比較した自社調査では、他製品よりも高い正答率が出たとしている。
自社調査での正答率比較(出典:LINE)
LINE公式アカウントやビジネスチャット「LINE WORKS」、決済サービス「LINE Pay」などと連携できる。シナリオや設定操作を直感的に設計できるという「チャットボットビルダー」では、会話を分析可能。プログラミングなどの専門知識不要でユーザーの潜在ニーズを発見できるとしている。
BRAIN OCRは、定型、非定型問わず、あらゆるスタイルの書式がテキスト化可能。斜めや歪んだ文字、多言語や専門用語なども高い精度で読み取りできるという。
LINEアカウントや物体認識、人物認識などのAIと連携可能で、LINE公式アカウント上で会話しつつ、身分証や自撮り画像を送付、自動判別でのオンライン本人確認などが可能。手続き時間の短縮、コストダウン、審査品質の安定などが期待できると説明している。
LINE公式アカウントとの連携例(出典:LINE)
BRAIN CHATBOTは、税別月額利用料5万円からのCommercialプランのほか、3カ月で1000までチャットできる無料のTrial、要問い合わせのEnterpriseの3つを用意。
BRAIN CHATBOTの価格表(出典:LINE)
BRAIN OCRは、設定ツールを活用して文書の読み取りたい項目を設定、テキストデータ化できる「Template」、設定不要で画像内の文字情報をすべてテキスト化する「General」の2つの種類がある。
Templateは300枚まで読み取れる月額無料のFreeプラン、1500枚読み取れる税別月額利用料3000円のBasicプラン、1万5000枚読み取れる3万円のStandardプラン、5万枚読み取れる10万円のAdvanceプランの4つ。現在は期間限定の特別価格で提供している。
BRAIN OCR(Template)の価格表(出典:LINE)
Generalは10万枚まで読み取り可能で、税別月額利用料は2万円。
LINE BRAINは、2019年7月にLINEが発表した企業向けサービスの総称。チャットボットやOCRのほか、音声認識、音声合成、画像認識など、LINEが培う認識(コグニティブ)技術を外部企業向けサービスとして提供するという。FAQ対応、請求書の手入力、飲食店やカスタマーサポートの電話応対といった人間が介在する作業を削減し、企業がユーザーへのサービス業務などに集中できる環境の提供を目指すとしている。