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契約を軸に事業の速度を上げる--「契約マネジメント」に成功した3社の場合

酒井貴徳 (Holmes) 須貝崇史 (Holmes)

2020-02-10 07:00

 前回は、契約マネジメントの中身、契約マネジメントと日本企業の相性を考え、リーガルテック先進国アメリカにおける契約マネジメントの動向を紐解き、日本でも契約マネジメントを導入する契機が訪れていることを解説した。今回は、実際に日本企業で契約マネジメントを導入し、契約を軸にした事業の仕組み構築に成功した企業の事例を紹介する。

「契約マネジメント」と事業の関係性

 第1回でも述べたとおり、契約には(1)ライフサイクル(2)関連契約(3)関連業務という要素がある。これらを軸として契約を捉え直すと、契約とは会社の事業そのものと言うことができる。契約書は、企業が得られる権利と、やらなければならない義務が書かれた“事業内容の説明書”だ。

 したがって、契約を軸にして事業の仕組み(業務フロー)を構築することで、自然とその企業、事業に最適な事業遂行のかたちができあがるのだ。なぜなら、契約それ自体はもちろん、成立前後の関連業務を把握できれば、事業を把握したのと同じことになるからである。

 「契約の型」ができれば、事業や案件全体の進捗管理、一事業に関連する契約の相互関係把握、各業務をいつ誰がどのように行うのか、実際に行ったのかがわかるようになる。

 契約マネジメントサービス「ホームズクラウド」を実際に導入し、契約そのものから関連業務までを一元管理している3つの事例をご紹介しよう。

事例1 株式会社Jリーグ

 Jリーグ(従業員数190人)は、組織基盤や各種事業のサポートのほか、試合映像やオフィシャル商品の企画、販売管理やプロモーションなどを事業展開している。

 導入前はそもそも法務部がなく、契約書を管理する基盤が整っていなかった。新設された法務部に着任した担当者は、契約書や関連書類を「誰が見てもすぐにわかる管理」にしなければ、組織内での「引き継ぎ」の際に情報の抜け漏れが生じ、売り上げにも直接影響すると感じていた。

 いずれ増えるであろう契約案件を管理しやすい状態に整えることが必要と考え、「今のうちに適切な契約管理のインフラ体制を敷こう」と一念発起。一つひとつの契約書の素早い締結、管理は重要だが、一つの契約にはさまざまな会社や担当者が絡み、関連契約や関連書類が無数に紐付く。これらをまとめてマネジメントできる「契約管理のインフラ」体制までを整えた。

 現場社員に向けた勉強会も実施し、バックオフィスだけでなく現場にも契約マネジメントの必要性を説明、業務フローを改善。結果、契約に関する情報が全て紐付いて管理できるようになった。

 契約業務の流れ自体を「契約の型」として整備し、誰でも適切にデータベースを管理できる体制を構築。属人化の課題を一掃することができた。

 また、Jリーグでは20種類以上もある規定を年1回のペースで見直している。改定のやり取りは全部門に関連する、作業期間も半年近くかかるプロジェクトである。そのため、メールベースでの見直しでは管理し切ることはできない。

 各改定作業を一つひとつの作業に区切りつつ、全体でも管理し、プロジェクトの進捗はもちろん、関係者や関連するファイル、情報の一元的なマネジメントが可能になった。

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