NECは、世界の多くの人々のT細胞反応を促進し得る「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)ワクチン」の設計に向けて、人工知能(AI)の予測技術を活用した遺伝子解析の結果を公開した。
公開された研究結果では、数千種類のSARS-CoV-2のゲノム配列を解析し、世界中の人々に最もよく見いだされる100個のHLAアレル(多様な免疫の型)に対するエピトープ(抗体が認識する抗原の一部分であり、ワクチンのターゲットとなり得るもの)を特定した。
具体的には予測アルゴリズムを用いて、SARS-CoV-2の全タンパク質を解析し、得られたデータをもとに、SARS-CoV-2のタンパク質の中から共通して見られるエピトープを重複して含む「ホットスポット」を、複数のHLAアレル型に対して特定した。
またこの予測アルゴリズムを活用して、世界中の人々を最も広くカバーし、かつウイルスのタンパク質の中から変異が少なく今後も変異されにくいであろう保存領域で得られた最適なホットスポット群を優先的に選定した。
NECは今回の成果を公開し、科学の進展を支援するとともに、ワクチンの開発加速を目的とした提携活動を開始する。