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「マイクロソフト=DX」を目指す--吉田社長が2021年度の経営方針

阿久津良和

2020-10-08 06:00

 日本マイクロソフト 代表取締役社長の吉田仁志氏は10月7日、同社の2021事業年度(2020年7月1日~2021年6月30日)の経営方針説明会を開催した。2019年10月の就任後としては初の経営方針説明で、同氏は2024年までの中期経営戦略として、政府・自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)、市場・顧客企業のDXに注力すると説明した。具体的には、デジタル庁を発端とするデータ一元化の基盤構築と、市場に対しては物流、製造業、小売業、中堅中小企業と前年度と同様の取り組みを強化していく。

日本マイクロソフト 代表取締役社長の吉田仁志氏
日本マイクロソフト 代表取締役社長の吉田仁志氏

 コロナ禍において日本マイクロソフトは、米国本社の方針として社員の健康と安全を重視し、世界160カ国前後の支社・現地法人でモニタリングを実施し、各国の方針に従ってオフィス再開などの判断を下している。日本では0.7%の出社率にとどまりながらも、「生産性という観点では仕事は止まっていない」(吉田氏)という。他方で同氏は、「(コロナ禍で)日本がIT発展途上国である、という事実が露呈した。日本全体にDXが必要。社会変革に向けた改革に取り組む」と、今後の取り組みに意欲を見せた。

 吉田氏が中期経営戦略で注力分野に掲げたのは、「政府・自治体のDX」「市場・顧客企業のDX」の2点。前者について吉田氏は、「データの一元化と基盤の構築、そして、行政を横断するシームレスなコミュニケーションの確立。クラウド化を推進して進めていく」と説明した。

 一方で後者については、コロナ禍で被害を受けた市場を復興したいとの理由から、物流業界に対して、ヤマトホールディングスが1月に発表した「YAMATO NEXT100」でのAzure Synapse Analyticsの採用例を引用した。Microsoft Azureに蓄積したデータから迅速な分析を可能にする機能だが、「5万6000台のトラックと年間18億個の荷物という膨大なデータをAzureに集約し、配送ルートや運用の最適化につなげていく」(吉田氏)という。

 また、製造業では、日立製作所の「Lumada」や「HXシリーズ」が採用するMicrosoftのソリューションの例を披露した。例えば、「Hitachi Digital Supply Chain」ではMicrosoft HoloLens 2やDynamics 365 Remote Assistanceによる遠隔操作を実現し、生産性向上や保守効率を高めている。

 小売業については、Telexistenceの提携を引用、ファミリーマートやローソンが採用した商品陳列業務を行うロボットの取り組みを加速する。中堅・中小企業にはワークショップやトレーニングを通じたリモート環境整備支援と、「過去にない低価格なサブスクリプションの提供」(吉田氏)を予定している。

 2020年度までの注力分野を振り返ると、同社は「エンタープライズ(7分野)」「公共」「モダナイゼーションの加速」「クラウド&AI人材育成」を掲げていたが、単純に比較すると、2021年度はシンプルになった印象だ。これについて吉田氏は、「重要なのことはDXではなくスキリング(能力)。全ての層に対してスキリングが必要」と述べつつ、「(変化していないように見えるが)社内的には大きく舵を切った。社員に(DXの重要性を)腹落ちさせて顧客提案するのがイニシアチブだ」と、社内体制の強化とMicrosoft Learnを通じた学習環境の充実に注力していく姿勢を示す。

 また、米国本社が近年注力しているMicrosoft Power Platformによる自動化や、Microsoft Teamsによる次世代のワークスタイル変革、GitHubを通じた開発コミュニティーの醸成を通じて、吉田氏は「顧客のDXを実現する『マイクロソフト=DX』と顧客に認識してもらえるようにしたい」と述べ、社員一人ひとりが挑戦できる集団へ変革させていくとも語った。

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