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水中データセンターは実用的--マイクロソフトが実験の結果を報告

Asha Barbaschow (ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部

2020-09-16 14:31

 Microsoftが、海底に密閉したコンテナーを設置してデータセンターとして使用することで、信頼性を向上させられると考えたのは、2014年のことだった。同社はその翌年の2015年に、水中データセンターの最初のテストを行った。

引き上げられたコンテナー
提供:Microsoft

 設計を見直してその実現可能性を証明した同社は、2018年にサーバーを満載したポッドを、スコットランドのオークニー諸島沖に設置した。

 データセンターが設置されたのは、潮力タービンと波力エネルギー変換装置の試験場である欧州海洋エネルギーセンターだ。

 Microsoftは数年のテストを経て、水中データセンターは実現可能であり、ロジスティクス的にも、環境的にも、経済的にも現実的だという結論に達した。

 同社はブログ記事の中で、水深117フィート(35.7メートル)の海底に設置されていた水中データセンターの引き上げについて詳しく紹介している。このポッドには864台のサーバーと冷却システムのインフラが収容されていた。

 ブログ記事によれば、「海中は常に温度が低いため、エネルギー効率の高いデータセンターの設計が可能になる。例えば、潜水艦で採用されているような熱交換配管を利用することができる」という。

 引き上げられたコンテナーは、汚れを落とされ、正常性チェックに送られた。「Project Natick」と名付けられた、この水中データセンタープロジェクトを率いるBen Cutler氏は、不具合が発生したサーバーやケーブルも少数あったが、水中データセンターで使用されたサーバーは、陸上で使用されているものよりも信頼性が8倍高かったと述べている。

 ブログ記事では、「プロジェクトチームでは、このような違いが出たのは、腐食性が低い窒素が充填されていたことと、部品に振動を与えたり乱暴に扱ったりする人間が存在しなかったことが主な理由ではないかという仮説を立てている。分析でこの仮説が正しいことが証明されれば、この調査結果を陸上のデータセンターにも応用できるかもしれない」と述べている。

 Cutler氏は、チームは今後、水中データセンターの利用シナリオについて検討する予定だと述べている。例えば、水中データーセンターを海上風力発電所と一緒に設置するといったシナリオが考えられるという。持続可能性の向上にプラスになる他のメリットには、部品を交換する必要がないことが含まれる。これは、サーバーの信頼性が十分に高ければ、早めに故障したサーバーを除外してしまっても構わないためだ。

 また同氏は、Project Natickは、人間や農業や野生生物が必要とする淡水を利用せずに、運用中のデータセンターを冷却し続けられることを示したと述べている。

 Cutler氏は、「Microsoftは現在、同じことを陸上のデーターセンターで行う方法を模索する方向へ進んでいる」と付け加えている。

 また同社によれば、エッジコンピューティングに対するニーズが高まっていることで、倉庫規模の大規模なデータセンターではなく、顧客に近い場所に小規模なデータセンターを設置するニーズも高まっている。

 「Microsoft Azure」のミッションシステム担当バイスプレジデントであるWilliam Chappell氏は、「私たちは地球を大小のエッジデバイスで埋め尽くそうとしている」と述べている。「人間が手を触れる必要がないほど信頼性が高いデータセンターを作る方法を知ることは、私たちの夢だ」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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