テクノロジー業界の大手企業や中小企業が、柔軟な働き方を許可するポリシーを恒久的に導入し始め、「無期限での在宅勤務」が最新のバズワードになるなか、従業員のなかには新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機が去った後も日常的に、自宅のリビングルームから会議に参加する可能性に心を躍らせている者もいるはずだ。
その一方で、全社的なデジタルインフラの継続稼働を任されている従業員は、仕事がさらに増えることになるはずだ。われわれのデジタルな動きすべてを支えているデータセンター業界は、英国や欧州大陸全体でCOVID-19に起因する制限が緩和され始めるなかで、著しい需要の高まりを予想している。
これは、データセンターに対する需要がパンデミック中に低迷していたという話ではない。実際のところその逆だ。企業や組織によるリモートワークへの切り替えを受け、事業者やエンジニアらはデジタルな世界が最も重要な時期に機能不全に陥らないようにするために、日夜作業に取り組んでいる。
データセンターの作業員らは今も現場で作業を続けている。それはパンデミックの危機の間もずっと続いており、彼らは障害停止を防ぐために絶え間なくインフラを監視、維持してきている。彼らはそのために、シフト体制を強化し、普段よりも多くのハンドサニタイザーを消費し、増えた作業をこなすために長時間働いている。
データセンターに特化した不動産事業を手がけるCyrusOneの欧州担当マネージングディレクターであるMatt Pullen氏は米ZDNetに、「多くの人々は、これまでにないほど忙しい日々を送っている。人々は延長シフトでより長時間、長い期間にわたって驚くほど懸命に働いてきている」と語った。
同氏は「ハイパースケールクラウドの利用者が、増加した需要への対処として予備の容量に手をつけるようになったことで、われわれの業界にはその影響がすぐに現れた。しかも、見えているのは氷山の一角だ」と続けた。
COVID-19のパンデミックによって、ほとんどの企業はデジタル化への取り組みを一気に実現せざるを得なくなったが、こうした取り組みは危機が去ったからといって消えてなくなるわけではない。つまり、データセンター事業者はここ数カ月間忙しくしているが、今後その状況にさらに拍車がかかりそうだということだ。