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ビジネス視点で分かるサイバーのリスクとセキュリティ

「ウィズコロナ」時代に向けたITインフラとセキュリティの優先事項

染谷征良 (パロアルトネットワークス)

2020-07-02 06:00

 本連載は、企業を取り巻くサイバーセキュリティに関するさまざまな問題について、ビジネスの視点から考える上でのヒントを提供する。

 新型コロナウイルスの感染拡大は、企業のビジネスはもちろん経済全体に多大な影響を与え続けている。国内でも緊急事態宣言が解除されたものの、消費者心理の回復には少なくとも1年~1年半は要すると考えられ、世界経済の状況からも企業の業績回復はさらにその先になると予測される。「ポストコロナ」時代のニューノーマル(新しい常態)が議論されているが、既に現時点で企業活動は多大な影響を受け続けており、「ウィズコロナ」から企業の事業継続の在り方を再考する必要がある。

 今回の事態を受けて、多くの企業が在宅勤務をはじめとした対応を通じて事業継続を維持する、あるいは自宅待機や休業などの措置でやむなく事業を一時的に止めるといった対応を余儀なくされた。しかし、業種や職種の特性を問わず、ITインフラの未整備を理由として、全社的な在宅勤務が行われた企業は約2割と少数派となった。近年、働き方改革が話題になっている中で、この緊急事態により企業の柔軟性やテレワークの実現性が試される状況となった。

 テレワークにおいて重要なポイントは、働く場所がどこであれ、オフィスと同等にどれだけの業務が継続可能かどうかにある。なぜなら、働く場所がどこであろうと、社員が担当業務をどの程度継続して遂行できるかが重要であり、この点が社員の集合体である企業としての事業継続性につながるからである。そこで、筆者が所属するパロアルトネットワークスでは、今回の新型コロナウイルス感染拡大への対応として、企業での在宅勤務がどのように実施されたのかについて詳細な調査を実施した。

多くの企業がテレワーク環境での事業継続には限界

 この調査では、企業が事業を継続するために必要な業務を、「主に社員が単独で行える業務」「社内関係者と行う業務」「社外の顧客・取引先と行う業務」の大きく3つのグループに分類して、それぞれをどれだけ遂行可能かを調べた。その結果、単独で行える業務や社内関係者と行う業務は一定レベルで可能だったのに対して、顧客や取引先との業務については著しく制限があることが分かった。

図1:事業継続に必要な業務13項目の可能度合い(n=409)
図1:事業継続に必要な業務13項目の可能度合い(n=409)

 自社オフィスなどへの出勤はもちろん、顧客や取引先への訪問も制限される中で、一部企業では、在宅環境からでも円滑なコミュニケーションを可能にするコラボレーションツールの無償提供も行われた。それにもかかわらず、多くの企業がウェブ・ビデオ会議やチャットツールが使えずに、電話やメールに依存していた傾向が今回の調査データからも見て取れる。加えて特筆すべきは、テレワークの環境において、顧客や取引先と契約書や発注書、請求書などのビジネス文書のやりとりが制限されている企業が過半数を超えている点だ。多くの企業で、受発注や請求書の処理などのさまざまなビジネスプロセスが、いかに紙やハンコに依存しているか、デジタル化されていないかがこの数値からも読み取れる。この調査の対象が、従業員規模500人以上、年間売上高500億円以上の大規模な企業としている中での数値という点が大きなポイントである。

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