2021年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。
NTTドコモ 代表取締役社長 井伊基之氏
新年、明けましておめでとうございます。
2020年は「新時代の成長に向けたスタートの年」として、5G(第5世代移動体通信)のサービス開始を契機とした新たな価値創造と社会課題解決を加速させました。1年を通じて、新型コロナウイルスは私たちの事業運営に大きな影響をもたらしました。全社的にリモートワークへのシフトを推進する一方、ドコモショップやコールセンター、オペレーションセンターなど出勤が必要な職場では、厳しい環境の中でお客さまサービス維持のために取り組んでまいりました。業務のリモート化に向けた取り組みを部分的に開始しましたが、今後さらに加速していきます。
また、社会全体が急速にリモート型へとシフトする中で、テレワーク、遠隔学習、遠隔作業支援などのモバイルソリューションが多くの場面で活用され、社会・経済活動に貢献してまいりました。ただし、新型コロナウイルスへの対応はまだ終わったわけではなく、「ニューノーマル」を意識した取り組みを継続してまいります。
私は2021年を「『新しいドコモ』への挑戦の年」と位置付けます。昨年のNTTによる完全子会社化に際し、ドコモはモバイルを中心とした事業から領域を拡大し、NTTグループとの連携強化により自らを変革・進化させることを宣言しました。これは5年後、10年後を見据えて、私たちドコモが社会に不可欠な存在として強く大きく成長していくための決断でした。そして、今年は「通信」「スマートライフ」「法人」「国際」「R&D」の5分野それぞれで具体的な取り組みに着手し、その意思を実現していく年にします。既存の枠組みや前例にとらわれずドコモが新しい姿に自らを変革していく始まりの年にしたいと考えています。そして業界トップの座に早期に返り咲くことをめざします。
2021年が、皆さんにとって、素晴らしい1年となりますよう祈念して年頭のあいさつといたします。