「Microsoft Teams」の同じバージョンを、同じ組織内で利用している場合でも、全員が最新の機能を同時に使えるようになるわけではない。Microsoftがその理由を説明している。
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同僚はTeamsのビデオやチャットの最新機能を利用できるが、自分はなぜできないのかという問い合わせに対し、IT管理者が説明する上で、Microsoftの新しいブログ記事が役に立つかもしれない。
MicrosoftのプリンシパルプログラムマネージャーMartin Rinas氏は、対応する人数や接続の形、デバイスの種類が多く、複雑であることから、Teamsのアップデートそれぞれに「機能フラグ設定(feature flag configuration)」があると説明している。この機能フラグによって、企業はTeamsの新版をすべての人に提供するが、機能は別々に有効化することができる。
世界中で多くの人々をつなぎ、リモートワークやリモート学習、家族や友人との接続を実現すること、ウェブ版、デスクトップ版(「Windows」「Mac」「Linux」)、モバイル版(「iOS」「Android」)などの複数のアップデートが展開されていることによる複雑さがあるという。
Microsoftが「調整」したロールアウト戦略では、まず新機能のコードが入った新しいTeamsをアップデートで提供する。次に、機能フラグで機能を有効にする。
「どちらの段階も徐々に進むが、タイミングが異なる。まず、機能フラグがオフの状態でビルドを出す。ビルドをユーザーに少しずつロールアウトする。ユーザーが入手して利用し、一定の普及率になるのを待つ」とRinas氏は説明している。
そして、スコアカードを使い、以前のビルドと新しいビルドについてパフォーマンスと利用状況の主要指標をモニタリングし、最新版で不具合の再発などがないようにする。
「スコアカードができて新しいバージョンに確信が得られれば、少しずつ機能フラグの有効化を開始し、ユーザーが新機能を使えるようにすることができる」(Rinas氏)
「大規模な、外部顧客向けのリングでは通常、数日かかる複数段階のプロセスになる」(Rinas氏)
Microsoftは社内テストの終了後、「Technology Adoption Program(TAP)」と呼ばれるプログラムを通じ、Teamsのリリース前の機能にアクセスするための合意を交わした組織に向けて新ビルドをリリースする。顧客は合意にあたって守秘義務契約(NDA)に署名する必要がある。アップデートはこの段階を経て一般ユーザーにリリースされる。
Rinas氏は、Microsoftが新たな機能やバージョンを数回に分けて徐々にロールアウトするとし、このアプローチは世界中のユーザーを1つのユーザープールと見なしており、組織やテナントのレベルでアプローチするわけではないと説明している。
こうした手段は、「提供する変更とユーザーエクスペリエンスを検証する上で、ユースケース、ハードウェア構成、ソフトウェア構成、ネットワークトポロジー、利用可能な帯域幅などのすべてのベストな面を提示する。しかしこれは、同じビルドを利用する同僚が異なる機能を目にする可能性があるということだ」とRinas氏は述べている。
「組織ごとに機能フラグをロールアウトすることで、同様のハードウェア、帯域、利用パターンで結果を偏らせる可能性が生じる。そのためわれわれは、ユーザーと利用パターン、ロールアウトのクロスセクションをとることを重視する」(Rinas氏)
Microsoftは12月に「Teams Public Preview」プログラムを発表している。新機能を全員に導入する前に、一部のユーザーが触れるようにする手段だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。