タニウムは2月18日、PCやサーバーなどエンドポイントの資産管理とセキュリティ対策を行うクラウドサービス「Tanium as a Service」の提供を開始すると発表した。中堅企業での利用を想定し、今後3年間で300社の利用を見込む。
同社は、「リニアチェーン」と呼ぶ独自のアーキテクチャーやプロトコルにより、多数のエンドポイントの管理と保護を迅速に行う仕組みを特徴とする。従来はエンドポイント数が数万~数十万台の大規模環境を対象としていたが、新サービスでは1000~1万台の中規模になる。
Tanium as a Serviceの概要
主な機能は、エンドポイント資産の検出と管理、脆弱性管理、パッチ管理、ソフトウェア配信、セキュティソフトウェア連携、脅威検出およびネットワーク隔離などの対応、フォレンジック調査になり、従来製品とほぼ同様。参考利用価格は、1エンドポイント当たり年間4000円で、新サービスでは100エンドポイントに対する2週間の無償の概念実証(PoC)も行える。また、サービス提供基盤はAmazon Web Services(AWS)の東京リージョンになる。
執行役員 テクニカルアカウントマネジメント統括本部長の小松康二氏によれば、同社製品では、LAN環境のエンドポイント間を“バケツリレー”のように通信するリニアチェーンアーキテクチャーとプロトコルにより、各種情報の収集やプログラム配信などを高速化している。新サービスでも、オンプレミス環境においては従来製品と同様に運用でき、物理的にエンドポイントが分散するリモートワーク環境では、“バケツリレー”方式の代わりにプロトコルで高速性を確保しつつ、同様にエンドポイントの管理や保護を可能にしているという。
タニウム 代表執行役社長の古市力氏
併せて代表執行役社長の古市力氏が、2020事業年度(2021年1月期)の概況と2021事業年度の方針も発表した。
2020年度は名古屋オフィスを開設し、人員体制も約50人から90人増員するなど事業基盤を大幅に強化した。また、セキュリティ状況の診断や改善支援などを行うプロフェッショナルサービスや、認定資格のトレーニングサービスを開始した。2021年度は、Tanium as a Serviceの本格展開やパートナーエコシステムの拡充、サイバー衛生環境(サイバーハイジーン)の普及推進を掲げる。
古市氏は、「セキュリティインシデントの発生を防ぐ上では、平時からIT資産管理や脆弱性対応、パッチ適用といった基本的なセキュリティ対策をきちんと実践し、衛生状態を保つことが重要。そのためのプラットフォームを提供していく」と説明する。将来的には、エンドポイント数が1000台未満の中小企業向けにも、マネージドサービス事業者などのパートナーを通じたTanium as a Serviceの提供を検討していくという。
2021事業年度の事業方針
(編集部より:初出時に「新サービスでは、このアーキテクチャーを採用していないものの」と記載しましたが、正しくは「オンプレミス環境の運用でこのアーキテクチャーを採用し、リモート環境では同アーキテクチャーの代わりにプロトコルによる高速化」となります。お詫びして訂正いたします。)