「開発と運用の間の壁を取り除きたい」--Datadog

渡邉利和

2021-04-06 10:15

 Datadog Japanは4月1日、報道関係者向けにオンライン説明会を開催し、同社の製品概要や最新情報について解説した。

 同社 カントリーマネージャーの国本明善氏はまず、自社製品について「セルフサービスで利用できるSaaSベースの統合型モニタリング基盤」だと説明。元々同じ会社で働いていた創業者の2人は、開発側と運用側という立場の違いから、普段は仲が良くても仕事でトラブルが生じると対立する構図となってしまうことがあった。そうした経験を踏まえ、「部門間や開発/運用間の壁を取り除きたい」と考えて会社を設立し、製品を開発したのだという。

Datadog Japan カントリーマネージャー 国本明善氏
Datadog Japan カントリーマネージャー 国本明善氏

 2010年の創業から「リアルタイム統合データプラットフォーム」の設計/構築に着手し、2012年にその基盤上に「インフラストラクチャモニタリング」の機能を実装し、提供を開始した。その後、仮想マシンからクラウド対応、コンテナー、プロセス、サーバーレスなど、新しい技術を積極的に取り入れてサービスを提供してきたという。

 2017年からインフラのモニタリングに加えて「APM(アプリケーションパフォーマンスモニタリング)」「Logs(ログ分析)」「UX(ユーザー体験)」「ネットワークパォーマンス」「セキュリティモニタリング」といった新機能を追加していき、「ありとあらゆるITスタックをエンドツーエンドでモニタリングできるサービスを提供」(国本氏)するようになっている。

Datadogの発展経緯。最初に確固とした「リアルタイム統合データプラットフォーム」を構築し、以後はテクノロジーの進化やユーザーニーズの変化に対応して随時その上に機能を積み上げていく形を採る
Datadogの発展経緯。最初に確固とした「リアルタイム統合データプラットフォーム」を構築し、以後はテクノロジーの進化やユーザーニーズの変化に対応して随時その上に機能を積み上げていく形を採る

 同氏はソリューションの特徴として「単にいろいろな製品や機能を追加したというだけではなく、基盤となるリアルタイム統合データプラットフォームに集約し、全ての機能が1つのダッシュボードで違和感なくリアルタイムに相関関係を見ながら分析できる」という点を挙げ、さらに「モニタリングというよりも“Observability(可観測性)”であり、『統合型Observabilityプラットフォーム』として非常に価値の高いものになっている」とした。

 なお、同社では最新機能として「Windows Server環境におけるライブトラフィックのモニタリング機能」の提供も開始した。従来、Linux向けに提供されていた「ネットワークパフォーマンスモニタリング(NPM)」をWindows Serverに拡張し、Windows Server/Linuxで実行されるアプリケーション間でのネットワークコミュニケーションのパフォーマンスを監視するものだという。

 同機能について国本氏は、「日本ではWindows Serverのユーザーが多いため、価値ある機能になると考えている」とした。また、2月にはアプリケーションセキュリティのSqreenと、データパイブラインの管理製品「Vector」の開発元であるTimber Technologiesを相次いで買収したことも発表されている。これらの製品機能も同様に「統合化されたプラットフォーム上でシームレスに違和感なく利用できる形で2021年の後半以降に追加される予定」(同氏)という。

 続いて、同社 SEマネージャーの守屋賢一氏が製品デモを通じて同社ソリューションの特徴を紹介した。「とあるウェブコマースサイトのユーザーが決済エラーに遭遇して、商品を購入できなくなる」というシナリオに基づき、同社製品を用いてこのトラブルをどのように把握し、根本原因を突き止めるのかを解説した。

 同氏は、さまざまなソースから収集した情報に対してタグ付けを行い、ひも付けできるようになっている点が大きな特徴だと説明。さらに、ビジネスユーザーが分析する際にも新たなクエリー言語などを習得する必要はなく、マウスのクリック操作のみで情報のグルーピングや絞り込みができる点もポイントだとした。

Datadog Japan SEマネージャー 守屋賢一氏
Datadog Japan SEマネージャー 守屋賢一氏

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