本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、KPMGコンサルティングが提供する「デジタルリスクマネジメントサービス」を取り上げる。
KPMGコンサルティングがデジタルリスクマネジメントを支援
KPMGコンサルティングは先頃、コロナ禍における急速なワークスタイル変化などでデジタル化が進みつつも、歪みやリスクの内包に直面している企業の仕組みの再構築を、リスクマネジメントの視点から支援する「デジタルリスクマネジメントサービス」の提供を開始すると発表した。
企業においては、コロナ禍で急激なワークスタイル変革を余儀なくされ、検討が不足したままスピード重視でリモートワークやデジタルトランスフォーメーション(DX)導入などの施策を実施した結果、ガバナンスの欠如や新たなリスクの顕在化などの課題が浮き彫りになってきているケースが見受けられる。
そうした自社の課題を改めて認識し、個別最適に留まらずデジタル関連施策の全体最適を考慮した、あるべきデジタルリスクマネジメントの姿を設計、構築する段階に入ったと言える。
また、規制対応の複雑化をはじめ、ESG(環境、社会、ガバナンス)などの広範囲に及ぶ取り組みから個別対応が必要な事案まで、企業のあらゆる取り組みが複雑化していることから、効果的なデータの利活用自体が企業にとって事業推進の成否を左右するようになってきている。
それらの取り組みには、個別最適ではなく、方針、体制、業務プロセス、テクノロジー活用などを総合的に俯瞰した全体最適が求められている。
こうした背景をもとに、KPMGコンサルティングはこれまで蓄積してきたガバナンスやリスクマネジメント、セキュリティ、データアナリティクスなどのDXに関する知見や実績を集約し、デジタルリスクマネジメントサービスの提供を開始した。
企業におけるデジタルを活用した事業推進、改革に潜むリスクへの対応と、リスクの認識、評価、対応へのデジタル活用の双方によって、経営目標の実現を支援するとしている。(図1)
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このサービスでは、ガバナンスやリスクマネジメントの領域のプロフェッショナルおよび全世界146カ国と地域のKPMGメンバーファームのリソース、複数の主要アライアンス企業との高い専門性と最適な技術の融合がもたらすパワーを最大限に引き出し、業務推進に必要な要件を適切に組み込むことにより、クライアントと共にDXを加速させていく構えだ。