企業向けのクラウドベースのデータ管理を手がけるClouderaは米国時間6月1日、Clayton, Dubilier & Rice(CD&R)とKKRによる53億ドル(約5800億円)規模の買収提案を受け入れたと発表した。
Clouderaによると、すべて現金で支払われる今回の買収で既存株主は1株あたり16ドル(約1750円)を受け取ることになるという。
16ドルという金額は、5月28日の終値を基準にすると24%、30日平均株価を基準にすると30%のプレミアムを上乗せした額となっている。
Clouderaの取締役会はこの買収を承認しており、株主らに対して承認するよう推奨している。Clouderaの発行済み普通株式の約18%を保有しているIcahn Groupおよび関連株主らは、今回の取引を承認する議決権拘束契約を締結したという。
Clouderaはこの買収条件の下で非公開企業となる。
Clouderaの最高経営責任者(CEO)Rob Bearden氏は「この取引によって、株主らに対して実りある確かな価値がもたらされるとともに、データの完全なライフサイクル、すなわちエッジから人工知能(AI)に至るまでを網羅するアナリティクスを実現し、ハイブリッドクラウド分野でのリーダーシップを目指すというClouderaの長期的な戦略が加速する」と述べるとともに、「われわれClouderaは、CD&RやKKRといった経験豊かな投資家の専門性とサポートを有した非公開企業として、製品による企業の成長や、獲得可能な市場での機会の拡大に向けたリソースと柔軟性を手にすることになる」と続けた。
世界的な投資企業であるKKRは、今回の買収を北米のプライベートエクイティー(PE)ファンドを通じて実行することになる。
買収手続きは諸々の条件を満たした後、2021年後半に完了予定だ。
「ゴーショップ条項」も設けられており、取締役会とアドバイザーらは向こう30日の間に他社による買収提案を求めて交渉できる。発表によると、「より優れた提案」で合意できた場合、今回の買収合意は取締役会によって否決することができるという。
またClouderaは同日、SaaS企業であるDatacoralとCazenaを個別の取引で買収すると発表した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。