人工知能(AI)が人類を絶滅に追いやるのではないかと警鐘を鳴らす人がいる中、AIにロボットを設計させると聞けば、フランケンシュタインにターミネーターを作らせるようなもの(あるいはその逆)だと思う人もいるかもしれない。
しかし、それがディストピアであろうがなかろうが、いずれ将来、問題解決のために機械と人間が協力する必要があるとしたらどうなのか。その協力関係はどのようなものになるのか。どちらが上で、どちらが下の立場になるのだろうか。
アーサー・C・クラークの「2001年宇宙の旅」を片手に、Netflixのディストピアをテーマにしたシリーズ「ブラック・ミラー」のエピソードをいくつも見てきた私は、その時は機械が上の立場になる方に全財産を賭けてもいいと思っている。
欧州の研究者が実際に行った実験では、機械と人間のコラボレーションに大きな影響を与える可能性がある、いくつかの興味深いことが分かった。
トマト収穫ロボットの設計に取り組む欧州の研究者
提供:Adrien Buttier/EPFL
オランダのデルフト工科大学で助教を務めるCosimo Della Santina氏とスイス連邦工科大学ローザンヌ校の博士課程の学生であるJosie Hughes氏は、生成AI「ChatGPT」と協力して、大きな社会問題を解決するロボットを設計する実験を行った。
Della Santina氏は、「Nature Machine Intelligence」に掲載された論文で、「私たちはChatGPTに、単なるロボットではなく、実際に役に立つロボットを設計させようとした」と述べている。
こうして、研究者らとChatGPTによる、人間と機械が力を合わせることで、どのようなものを設計できるかを調べるための対話が始まった。
ChatGPTなどの大規模言語モデルは、膨大な量のテキストやデータをかみ砕いて処理し、非常に速いスピードでもっともらしい答えを出力できる強力な存在だ。
素晴らしいことに、ChatGPTは複雑な技術情報も扱うことができるため、強力な研究アシスタントを探している人にとっては大きな恩恵になり得る。