米Docusignは、独自に新しいSaaSカテゴリーのコンセプト「インテリジェント契約管理システム(Intelligent Agreement Management:IAM)」を打ち出すとともに、「Docusign IAM」およびスイートアプリケーションを発表した。
「合意・契約はあらゆるビジネスの根幹となるものだが、契約管理の方法は過去に囚われたまま」と同社で最高経営責任者(CEO)を務めるAllan Thygesen氏は述べる。「契約管理における悪しき慣行やシステムの不備によって、世界全体で毎年2兆ドル(約300兆円)近くの経済価値が損なわれている。インテリジェント契約管理システム(IAM)はこのような状況を変え、世界中の企業がより効率的に業務を遂行し、より迅速に収益を上げられるようにする」(同氏)
インテリジェント契約管理システムの最初のプラットフォームであるDocusign IAMは、契約管理プロセスのさまざまな構成要素をシームレスにつなぎ、AIを活用することで契約書作成のスピードアップ、交渉の強化し、契約ポートフォリオを管理するための戦略的洞察の提供を可能にする。
「近年のAIの進歩と当社の契約分野における豊富な経験を組み合わせることで、あらゆる企業に対応可能な強力かつ新しい機能を構築することができる。Docusign IAMは、革新的な方法でお客さまに真のビジネスインパクトをもたらす」と同社の最高製品責任者(CPO)であるDmitri Krakovsky氏は語る。
Docusign IAMにより、規模の大小を問わず、企業はシームレスな契約書の準備、締結、活用を実現する。準備では、顧客関係管理(CRM)、人的資本管理(HRM)、企業資源計画(ERP)など、全てのビジネスプロセスシステムと統合され、コラボレイティブかつ自動化された方法で契約書を作成できるという。締結では、より良い顧客・パートナー・従業員体験を提供しながら、迅速かつ安全な契約締結を可能にする。活用では、契約書に隠された重要なデータを解き放ち、その価値を引き出しながら、不必要なリスクを低減して、契約を管理することができる。
Docusign IAMは5月下旬から米国で提供を開始し、その後、他の主要なグローバル市場に拡大していく予定。
同社は声明で、「CRM、HRM、ERPがインターネットを活用して営業、人事、リソース管理を刷新したように、Docusign IAMのようなプラットフォームはAIを活用して契約管理プロセスを変革する」と主張。「Docusign IAMのローンチは、電子署名や契約ライフサイクル管理(CLM)分野における20年以上の実績を基盤に、当社のビジョンと戦略を大幅に拡大する」としている。
今回の発表にともない、Docusignはロゴマークおよびブランドを一新した。