TOPPAN、都市災害リスク可視化サービス開始--デジタルツインで被害と避難を仮想再現

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2025-03-06 07:00

 TOPPANは3月5日、都市のデジタルツインを活用し、災害リスクを可視化するサービスを開始したと発表した。同サービスでは、自治体の災害対策、訓練、防災教育を支援する。デジタルツインや仮想現実(VR)映像などの防災ソリューションを自治体向けに展開し、2025年度に関連受注を含め5億円の売り上げを目指す。

 同サービスは、3Dデジタル空間に現実の都市を再現し、防災施設や住民分布などの地域情報を登録する。その上で災害発生時の被害や避難行動を仮想再現し、状況を可視化する。さまざまな条件をデジタル空間で検討し、防災・減災活動に反映できるという。また、災害時の状況に基づき、訓練シナリオのAI生成や、防災教育に活用できる再現CG出力など、自治体の業務を支援する情報を自動作成する。

サービスの概要
サービスの概要

 人口、避難所、病院などの地域情報をデジタルツインに反映し、3Dマップ上で被害状況を可視化できる。被害件数や避難者数をレポート出力できるため、さまざまな条件で比較検討が可能だ。地域防災計画と災害状況から、訓練シナリオをAIで自動生成し、シナリオと同期した被害想定映像も作成可能だ。また実際の災害に近い状況で訓練を実施でき、中山間地域や都市部など、全国で利用できる。

用途に合わせた表示例
用途に合わせた表示例

 TOPPANによると、従来の防災・減災計画は、過去の経験に基づく想像に頼る部分が大きかった。しかし、災害の激甚化・複雑化が進み、従来の方法では限界があるという。同社はこれまで、VR技術を活用した防災啓発サービスを展開してきた。近年、シミュレーション機能への要望が増えたため、デジタルツイン技術を活用し、自治体防災の高度化・効率化を目指すこととした。

 今後、津波・河川の氾濫・高潮に加え、地震・土砂・火災などへの対応も進める。国土交通省が主導する、「PLATEAU」の3D都市モデルを活用したデジタルツイン構築にも対応する。PLATEAUは、日本全国の3D都市モデルの整備・オープンデータ化プロジェクト。

 利用価格は自治体が災害シミュレーションデータを活用する場合、初期費用は560万円から、年間利用料は140万円(保守も含む)。地図データやシミュレーション計算などの費用は別途発生する。

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