大手ウェブサービスが続々採用する「常時SSL」
「常時SSL」とは、従来問い合わせフォームやログインページなどの個人情報を取得するページのみに利用してきたSSLを、サイト内すべてのページに適用する手法である。
SSL証明書を利用することで、重要な個人情報やクレジットカード情報が第三者によって盗まれたり、悪用されないようにすることは周知の事実だが、この適用範囲を広げようという試みだ。(SSLについては、日本ジオトラストのWebサイトを参照)
日本ベリサインといえば、SSL証明書市場では国内最大手だが、グループ企業である日本ジオトラストも世界的に確立されているブランドで日本でも急速に広がっている。ジオトラストのSSL証明書は低コストと最短2分のスピード発行が特徴で、2年連続で国内純増数の第一位を獲得、また「イード・アワード2012」の顧客満足度調査で「総合満足度最優秀賞」に輝いている。
一方、ベリサインのSSL証明書は、より厳格なEV SSL証明書の発行サービスや「マルウェアスキャン」「脆弱性アセスメント」などの無償で利用できるサービスを加えて、よりハイレベルな付加価値サービスを展開し、トータルのウェブサイトセキュリティを提案している。
この国内を代表するSSL証明書発行機関である両者が提案しているのが「常時SSL」である。既に大手ウェブサービスが「常時SSL」の採用に舵を切っているので紹介しておこう。GoogleではGoogle+、Google Analytics、Google AdWordsといったサービスにおいて順次、常時SSLを適用してきており、2012年3月以降には検索サービスにも提供範囲を広げている。また、Twitterでは2011年3月に常時SSLのオプションをユーザーに提供し、2012年2月からはそれをデフォルトでの運用とした。さらに、Facebookでも2012年11月から常時SSLをデフォルトで運用するようになった。これらのサイトが続々と採用している背景は何だろうか?
常時SSLのイメージ
データ盗聴やなりすましのリスクがより高まる無線LAN接続
「常時SSL」がサイト運営での世界的なトレンドになっている背景には、スマートフォン、タブレット端末、あるいは昨今ますます軽量化しどこにでも持ち出しやすくなったノートPCなどの存在がある。
これらの端末を使って、特に公衆無線LANのWi-Fiなどを利用してインターネットを活用することが増加し、個人情報やパスワードなどが第三者によって盗まれるリスクが増えているのだ。
日本ベリサイン SSL製品本部
中川就介氏
「従来の有線イーサネットなどに比べて、無線LANの環境では適切なセキュリティ対策がなされていない場合、第三者に通信内容を傍受されたり同じネットワーク内のファイルを不正に見られたりするリスクが高くなります。特に公衆無線LANの中には安全性が十分に確保されていないケースがあり、ログイン情報やCookie情報を窃取されるリスクが高くなります」と話すのは、日本ベリサイン SSL製品本部の中川就介氏だ。
また、特別なハッキング技術がなくてもcookie情報を盗聴し、それを用いたなりすましを可能にするFirefoxのアドオンツール『Firesheep』といったツールが登場しており、公衆無線LAN経由でアクセスした場合に中間者攻撃を受けるリスクが高まっている。
無線LAN環境では、より中間者攻撃のリスクが増大する