IIJの巨大なストレージプールを使いファイルサーバやBCP対策に活用
業務で扱うデータ量が増大しているいま、いかにコストを抑えて最適な容量のストレージを用意できるかが企業にとって大きな課題となっている。そうした課題解決を支援すべく、IIJはクラウド基盤に構築している巨大なストレージプールを切り出してクラウドサービスとして提供している。IIJの提供するクラウドストレージは、単にデータの置き場所を借りるだけにとどまらず、ストレージのスペシャリストが運用するストレージを利用することによってデータの可用性を高めることができるのが特徴の一つとなっている。
サービスのラインナップには、エンタープライズ向けのIaaSサービスである「IIJ GIOコンポーネントサービス」において、サーバと組み合わせて使用する大容量のNFSやCIFSをはじめ、FC-SANなどをラインナップする「ストレージアドオン」の他、ファイルサーバを単体で提供する「IIJ GIOストレージサービス」がある。IIJ GIOストレージサービスでは、一般的なファイルサーバとして利用する「FS/S」と、REST API型のクラウドストレージ「FV/S」を用意。企業の用途に応じた選択が可能となっている。巷にはインターネット上で提供している安価なクラウドストレージサービスも存在しているが、既存のデバイスや仮想デスクトップ、ストレージ製品などから接続するとなるとCIFSやNFSといった従来型のプロトコルのサポートは必須とも言える。
図：用途に応じて2種類のサービスを用意している
また、IIJ GIO ストレージサービスでは、同じ筐体内をはじめ、他のIIJのデータセンターのストレージへのミラーリング設定が可能。とりわけIIJ GIOのクラウドデータセンターは、東日本側と西日本側の大きく2つのサイトに分かれて配置されているので、いずれかを選択することで遠隔地へのバックアップやディザスタリカバリ対策を実現できる。バックアップについては、顧客が所有しているストレージとの連携を図ったりなど、顧客の要望に柔軟に対応することも可能だ。そのBCPへの有効性は、東京証券取引所が市場取引データのバックアップシステムの基盤に採用していることからもうかがえる。
IIJの土岐田氏は、「ストレージというのはアレイ一つでもかなりの価格となるため、拡張すべきかどうかの投資判断が難しいジャンルになります。しかし、ストレージの使い勝手が悪いままで放置しておけば、ユーザーはローカルディスクへのデータの溜め込みや部署ごとに購入・設置したNASなどにデータを蓄積するなどの事態が起こります。これは、会社としてのデータの完全性や可用性の低下にもつながる極めて大きな問題です。IIJ GIOストレージサービスであれば、ストレージプールを月額で借りられるため難しい投資判断をしなくても気軽に使え、ユーザーの満足度の向上にもつながります」と話す。
クラウドストレージサービスのパフォーマンスはネットワークの品質に大いに依存するが、WANなどのネットワークの最適な設計についてもネットワークサービスプロバイダであるIIJのプロフェッショナルに相談したりアドバイスを受けたりすることができる。
このようにIIJ GIO ストレージサービスを利用すれば、膨大なストレージプールを自社内ネットワークにあるストレージと同じ使い勝手で利用できるうえに、状況変化に応じた柔軟かつ最適なストレージへの投資が可能になる。
