競争力を左右する「帳票基盤」の成功例--グローバル化で分かった課題とは - (page 2)

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2013-07-10 11:00

[PR]業務効率化とコストの適正化を両立する帳票基盤のあり方とは。ウイングアークの谷口氏に、帳票を取り巻く環境が多様化するなか、真のグローバル化を実現する集中管理などの方策を聞いた。

集中分散で真のグローバル化を目指す

 グローバル化も帳票をとりまく環境の変化の1つ。グローバル化では、まず言語の違いに対応しなければならない。そこでグローバルで共通の帳票フォームに、対応言語だけを変更して帳票を印刷できることが必要。また海外拠点で出力された帳票を、日本の本社で一元管理できる仕組みも重要になる。

 「帳票を出力する管理と、出力した帳票の管理が必要になる」と谷口氏。帳票出力の管理については、日本の本社で各国ごとに帳票を作成するのではなく、基本的には1つの帳票をグローバルで利用し、どうしても追加しなければならない部分だけを現地対応する仕組みを構築する。

 またすべての国に帳票作成ツールを導入するのではなく、日本の本社にのみ導入し、各国からはブラウザでアクセスして帳票のメンテナンスを行う仕組みも重要になる。谷口氏は、「各拠点の開発担当者が、ネットワーク経由でチーム開発ができる統合開発環境を選択することが必要になる」と話している。

 国によって違うのは言語だけではない。例えばバーコードひとつにしても、CODE39、NW-7、ITFコードなど、さまざまな種類があり、国によっても仕様に違いがある。そこで、どのようなバーコードであっても、簡単な操作で作成でき、かつ鮮明に印刷できることが重要になる。


バーコード規格には、これだけの多様性がある。

 ディーゼルエンジンを中核とした機器の製造・販売を展開するヤンマーグループでは、機器のメンテナンス用部品をグローバルに調達するための仕組みとして、帳票基盤を構築している。最大のポイントは、世界各国で部品を調達しなければならないために、24時間×365日システムを止めることができないことだ。

 谷口氏は、「常にどこかの国が稼働していて、ネットワーク環境の良し悪しなどもあるため、堅牢性も必要になる。またプリンタ仕様も異なり、現地の言語で発注書を出力できなければならない。さらに利用者の権限設定やログの取得など、セキュリティ面の整備も必要になる」と話す。

 これまでの海外対応は、各拠点に分散して帳票基盤を構築してきた。しかしクラウドや仮想化の登場により、システムを集中しながら、各国から分散してそれを利用する真のグローバル化が可能になった。谷口氏は、「集中分散の帳票基盤を実現することで、管理者は現地に出向くことなくシステムを一元管理できる。現地の管理は最小限にし、現地の担当者に任せることで人的リソースの最適化も期待できる」と話している。


ヤンマー情報システムサービスのシステム構成(詳細はダウンロード資料にてご覧下さい)

ビッグデータ印刷とアーカイブ

 ストレージのコストパフォーマンスが向上し、ビッグデータの管理が容易になってきたことから帳票基盤におけるビッグデータ対応も重要になる。佐川急便では、グループ全体で約400拠点、1600台程度のプリンタを使い、通常であれば1日に100万枚~120万枚、繁忙期では200万枚の伝票を出力している。この伝票に基づきセールスドライバーが荷物の配送を行うので、基幹システムから正しく伝票が出力されなければ業務が止まってしまう。この重要な仕組みに帳票基盤を採用している。

 また大量データ印刷においては、電子化によるペーパーレス化も重要な取り組みの1つ。そこでPDF出力が重要になる。しかし、どのPDFでも大丈夫というわけではない。PDFには、アーカイブ用のPDFで長期保管用のPDF/A、エンジニアリング向けのPDF/E、印刷用途に最適化されたPDF/Xという、ISO標準規格で定められた3種類のPDFがある。

 谷口氏は、「グローバルに電子化を考える場合には、PDF/A(※国際標準化機構が制定している国際標準形式)で出力しておくことが望ましい。また帳票を2次加工したい場合には、さまざまな出力環境の違いによって生じる問題に対し、出力ファイルのフォーマットを統一することで、出力側の環境に頼らず印刷することが可能なPDF/Xの利用が有効」と話す。

 また出力したPDF帳票は、管理しなければならない。このときグローバル企業では、多言語で管理できることが必要。谷口氏は、「言語ごとにフォルダを作って管理することが多いが、これでは検索が困難。PDFを一元管理し、仏語のキーワードで検索すると仏語の帳票が、英語のキーワードで検索すると英語の帳票が検索できることが必要」と言う。

 一方、電子化は便利な反面、複製が容易になるという課題もある。そこで、パスワードを設定したり、電子透かしを埋め込んだりすることが必要になる。ダウンロードした瞬間にPDFに利用者の個人情報を書き込む技術も登場している。これにより、もしPDF帳票が悪用された場合でも、誰がダウンロードしたものかを容易に把握することができる。 これらのPDF帳票運用の課題を解決するためのソリューションが今春リリースした「SVF PDF Archiver」だ。

PDFに関する課題

    ■ISO標準規格で定められた3規格の使い分け

  • 長期保管用のPDF/A
  • エンジニアリング向けのPDF/E
  • 印刷用途に最適化されたPDF/X

■多言語での管理、各言語による検索

■セキュリティ対策(電子透かし、パスワード、利用者情報埋め込みなど)

 さらに今後は、参照系の帳票においてもスマートデバイスをはじめとしたマルチデバイス対応のニーズも高まっていくだろう。このように企業が帳票基盤の整備に着手すべき理由は、コスト削減に留まらず非常に幅広いことがわかる。アジアを初めとする海外展開が当然になっていく中、ビジネスを円滑に展開するためには欠かすことのできないものだ。

 だからこそ「帳票基盤の整備に必要なソリューションやサービスを、積極的に提案していく必要がある」と谷口氏は語る。本稿ではウイングアークが手がける帳票製品やソリューションには細かく言及しなかったが、ぜひ詳細は、一部本文中で紹介した事例と併せてダウンロード資料などでご確認頂きたい。

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