2025年 企業における生成AIサービス活用の市場規模と有望な適用場面
調査設計/分析/執筆: 岩上由高
ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は企業における生成AIサービス活用の市場規模ならびに同サービスを適用する業務場面に関する調査を実施し、その結果を発表した。本リリースは「2025年版 DX&AIソリューションの導入パターン類型化と訴求策の提言レポート」のサンプル/ダイジェストである。
<想定される市場規模を達成するためには適用すべき業務場面の見極めが不可欠>
■生成AIサービスの合計市場規模は約4,800億円、これまでのIT支出と異なる傾向に要注目
■4カテゴリ/20項目で生成AIの適用場面を分析、中小企業はAIエージェント活用で遅れ気味
■文書作成に重点を置く用途では大企業が突出、文書のチェック/校正は中小企業にも有効
グラフ・図表は下記のURLよりご確認いただけます
(リンク »)
■生成AIサービスの合計市場規模は約4,800億円、これまでのIT支出と異なる傾向に要注目
現状維持志向が強くなりがちな日本企業のIT活用において、生成AIは新たな変革が期待できる分野として注目を集めている。
以下のグラフはユーザ企業(全年商)が利用する生成AIサービス(個人としての利用は含まない)の年額合計費用を元に算出した市場規模を業種別に集計したものだ。ここでの年額合計費用とは初期費用(導入コンサルティングやシステム構築の費用も含む)および1年分の運用費用を指す。2025年の生成AIサービス市場規模の合計は約4,800億円となった。
業種別に見た場合に最も大きな市場規模を示しているのは一般サービス業である。一般サービス業は顧客と対話する場面が多いため、メール文面や会話などの非定型データの処理で生成AIサービスの強みを発揮しやすい。また、ここで注目すべき点は建設業が2番目に大きな市場規模を示していることだ。通常、建設業におけるIT市場規模算出結果は製造業や卸売業などと比べて小さな値となることが多い。 だが、建設業では建築基準法を始めとする各種法規に沿った大量の文書を処理する必要がある。従来、こうした作業は人力に頼らざるを得なかったが、生成AIをアシスタントとして活用することで大幅な業務改善も期待
できる。このように生成AIサービスの市場規模においては、従来型のIT支出とは異なる傾向を示している点に注意が必要だ。
(ここでは業種別の市場規模算出結果を掲載しているが、本リリースの元となる調査レポート「2025年版 DX&AIソリューションの導入パターン類型化と訴求策の提言レポート」では年商別および地域別の市場規模についても詳しく解説している)
ただし、上記の市場規模は生成AIサービスを利用中のユーザ企業に対して、年額合計費用を尋ねた結果に基づいている点に留意する必要がある。つまり、もし途中で生成AIサービスの利用を中断してしまうユーザ企業が多くを占めれば、実際の金額は上記の値よりも低くなってしまう。 そうならないためにも、IT企業側としては生成AIサービスの適用場面を拡大し、ユーザ企業に対して「どのような業務に適用するのが良いか?」を適切に提案できる体制を整えておく必要がある。次頁ではその点に関する分析結果の一部を調査レポートのサンプル/ダイジェストとして紹介している。
■4カテゴリ/20項目で生成AIの適用場面を分析、中小企業はAIエージェント活用で遅れ気味
本リリースの元となる調査レポートでは、以下の項目を列挙して有効回答件数800社のユーザ企業に対して「生成AIサービスを適用する業務場面はどれか?」を尋ねている。(「生成AI」の定義などは右記を参照 (リンク ») )
<<文書の作成/編集>>
・ メールなどの非定型文面の自動作成 例) 顧客のクレーム内容を踏まえて最適な返答文の下書きを自動作成する
・ 定型書類(届け出など)の自動作成 例) スマホに記録した計測データを元に現場作業の報告書を自動作成する
・ 文章/図版の混在資料の自動作成 例) 文章で与えた論旨と図版概要を反映したプレゼン資料を自動作成する
・ 文書内容の要約や複数文書の統合 例) 複数の従業員が出した日報を統合/要約して課の日報を自動作成する
・ 文書内容のチェックや校正 例) 契約書を自動でチェックし、自社に不利な条件がないかなどを確認する
・ 音声からの文字起こし 例) 会議の音声データを元に議事録のテキストを自動生成する
・ 文書内容の翻訳 例) 文書をある言語から他の言語に翻訳する
<<従業員の業務や学習の支援>> ※1
・ 履歴データに基づく対応の判断 例) 過去の取引履歴を元に、個々の事案での値引き可否を自動で助言する
・ 問い合わせに対する自動応答 例) FAQページやヘルプデスクにおいて従業員や顧客への回答を自動化する
・ 従業員のセルフラーニング支援 例) 生成AIサービス利用を通じて従業員のスキル向上を図る(外国語学習など)
・ 熟練者が持つスキルの継承 例) 熟練者の作業手順をAIが学習することで暗黙知も含めた技能継承ができる
・ アイデアの創出や練り込み 例) 企画のアイデアについて生成AIサービスと対話することで更なる改善を図る
・ 自然言語による情報検索 例) 「引っ越し」などの平易な言葉で転居届などの社内申請文書を見つけられる
<<顧客に提示する画像や音声>>
・ 販促などに用いる文言の自動作成 例) 販促資料に掲載するキャッチコピーを生成AIサービスと対話しながら作成する
・ 資料などに含める画像の自動作成 例) 生成AIサービスに文章で概略を伝えて、カタログ内の画像を自動作成する
・ 広告などに用いる動画の自動作成 例) 生成AIサービスに文章で概略を伝えて、販促サイトの動画を自動作成する
・ 顧客対応などでの音声の自動作成 例) FAQやヘルプデスクの返答内容を元に、応答時の音声を自動作成する
<<AIエージェント>> ※2
・ 事前に定義された複数場面の連動 例) 複数の業務を連動させた手順を事前に与えて、生成AIサービスに実行させる
・ AIが自ら判断する複数場面の連動 例) 生成AIサービスが複数の業務を連動させた手順を自ら定義して自動実行する
・ 自然言語による業務フロー定義 例) 業務手順を文章で伝えて、それを実行するワークフロー定義を自動生成する
以下のグラフは生成AIサービスを利用中/利用予定の業務場面として 「従業員の業務や学習の支援」(※1)と「AIエージェント」(※2)のカテゴリに含まれる項目を回答した割合を年商規模別に集計したものだ。※1は年商規模が大きくなるにつれて割合も高くなっていく一方、※2は中小企業における値が低くなっていることがわかる。中小企業は小規模企業と比べてIT活用は活発だが、中堅企業ほどIT管理/運用を担う人材が十分ではない。そのため、新たなIT活用の導入において遅れを取る場合がある。
とは言え、社数の多い中小企業層においてITエージェントの活用を進めることは生成AIのみならず、IT市場全体にとって重要な取り組みだ。調査レポートではこの点に関する分析と対策の提言を詳しく述べている。次頁では生成AIサービスの適用場面に関する更なる詳細について述べていく。
■文書作成に重点を置く用途では大企業が突出、文書のチェック/校正は中小企業にも有効
さらに以下のグラフは前頁に列挙した利用中/利用予定の生成AIサービスを適用する業務場面の中から、「文書の作成/編集」のカテゴリに属する3項目の回答割合を年商別に集計した結果である。
生成AIサービスの進化によって、昨今では文書の要約やチェック/校正だけでなく、文章と図版が混在した資料を作成したり、複数の文書を統合するといった処理も行えるようになってきている。上記のグラフはこうした生成AIサービスの用途が現時点でどこまでユーザ企業に受け入れられているか?を示した結果と捉えることができる。
「文章/図版の混在資料の自動作成」(※1)および「文書内容の要約や複数文書の統合」(※2)は大企業における値が突出して高くなっていることがわかる。※1や※2は資料を新たに起案したり、既存の文書を要約/統合するといった点では「文書の作成」に重点を置いた業務場面と言える。大企業では事業規模が大きいことによって作成する文書量も多くなり、その結果※1や※2における生成AIサービスの活用が盛んになっていると考えられる。
一方、「文書内容のチェックや校正」(※3)は中小企業における値が大企業とほぼ同レベルとなっている。中小企業は小規模企業と比べるとチェック/校正すべき文書量は多くなるが、中堅企業と比べると従業員数が少ない。そのため、限られた人数で業務に必要な各種書類のチェック/校正を行う必要がある。こうした場合に生成AIサービスを利用できれば、人員の不足を補うことができる。このように業務場面によっては年商規模が小さな企業層も有望な訴求対象となる。
ここでは※1~※3の3項目のみを抜粋したが、上記3つと同じ「文書の作成/編集」には「メールなどの非定型文面の自動作成」「定型書類(届け出など)の自動作成」、「音声からの文字起こし」、「文書内容の翻訳」のように他にも様々な業務場面がある。
本リリースの元となる調査レポートでは前頁に列挙した4カテゴリ/20項目の業務場面について、有望な訴求対象となる年商帯はどこか?利用中と利用予定を比較した場合に今後の利用増が見込めるのはどれか?に関する分析/提言を述べている。
次頁には調査レポートの案内(サンプル属性や分析サマリの章構成など)を掲載している。
本リリースの元となる調査レポート
『2025年版 DX&AIソリューションの導入パターン類型化と訴求策の提言レポート』
DXソリューションを技術視点(9分野、計48項目)および業務視点(8分野、計38項目)に基づく、5つの導入パターン類型に整理し、個別分析サービス(オプション)による個々のユーザ企業に向けたDX提案の施策/提言までカバーした次世代型の調査レポート。
昨今注目を集める生成AIについても、サービスシェア、適用する業務場面、ユーザ企業の課題/ニーズといった最新動向を網羅。
【対象企業属性】(有効回答件数:800社、調査実施期間:2025年5月)
年商: 5億円未満(241社) / 5億円以上~50億円未満(222社) / 50億円以上~100億円未満(127社) /100億円以上~300億円未満(85社) / 300億円以上~500億円未満(65社) / 500億円以上(60社)
業種: 組立製造業(114社) / 加工製造業(106社) / 建設業(101社) / 卸売業(101社) / 小売業(74社) /運輸業(76社) / IT関連サービス業(103社) / 一般サービス業(125社)
従業員数: 20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 / 100人以上~300人未満 /300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 / 1,000人以上~3,000人未満 /3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
IT管理/運用の人員規模(12区分): IT管理/運用を担う人材は専任/兼任のいずれか?人数は1名/2~5名/6~9名/10名以上のどれに当てはまるか?
ビジネス拠点の状況(5区分): オフィス、営業所、工場などの数は1ヶ所/2~5ヶ所/6ヶ所以上のいずれか?ITインフラ管理は個別/統一管理のどちらか?
職責(4区分): 経営層またはIT活用の導入/選定/運用に関わる職責
【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の章構成】
第1章: DXの取り組み概況
企業全体としてのDX実施段階およびDX分野別(技術視点9分野/業務視点8分野)の取り組み状況を集計/分析
第2章: 実施済み/実施予定のDXソリューション
技術視点48項目、業務視点38項目のDXソリューションの実施状況(実施済み/実施予定)を集計/分析
第3章: DXの課題とIT企業に求める支援策
DXに取り組む際の課題(計23項目)およびIT企業に必ず実施して欲しいと考えるDX支援策(21項目)を集計/分析
第4章: DX導入パターン類型と追加個別分析サービス(オプション)
企業属性、DXの全体状況、DX分野別の取り組み状況に基づく5つのDX導入パターン類型について詳述し、さらにオプションとして利用可能な追加個別分析サービス(個々のユーザ企業の属性やDX活用状況を元にDX導入パターン類型を特定し、実現したいDX提案のために何をすべきかを分析/提言)の実施内容を解説
第5章: 生成AIの活用概況とサービスシェア
生成AIの活用状況(実業務に適用 or 試験利用など)および8カテゴリ、37項目に渡る生成AIサービスの利用中および利用予定の社数シェアを集計/分析
第6章: 生成AIサービスを適用する業務場面
4カテゴリ/20項目に渡る業務場面を提示し、生成AIサービスの適応有無を集計/分析
第7章: 生成AIサービスの課題とニーズ
生成AIサービスを活用する際の課題(計18項目)および活用する際に必須と考える事柄(ニーズ)(16項目)を集計/分析
第8章: 生成AIサービスに拠出する費用
生成AIサービスの利用に際して年間で拠出する合計費用(万円)を集計/分析
【発刊日】 2025年6月16日 【価格】 225,000円(税別)
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