RHEL for Business Developers提供開始から考察するLinuxサーバ市場の今後

ノークリサーチはRed Hatが新たに提供開始したRHEL for Business Developersを踏まえて、Linuxサーバ市場の今後について分析した結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2025-07-15 12:00

<CentOS代替(AlmaLinux/Rocky Linuxなど)の訴求ではRHELと同じ戦略は必ずしも必要でない> ■ RHEL利用企業ではオンプレ&クラウド連携/サーバ乱立/初期費用の課題が相対的に高い ■RHEL以外のLinuxサーバOSでは、クラウド移行や管理/運用の自動化が課題となっている ■AlmaLinux、Rocky Linuxなどを訴求する際には「OS自身が備える機能による支援」が得策
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2025年7月15日

RHEL for Business Developers提供開始から考察するLinuxサーバ市場の今後

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)はRed Hatが新たに提供開始したRHEL for Business Developersを踏まえて、Linuxサーバ市場の今後について分析した結果を発表した。本リリースは「2024年版 サーバ&エンドポイントにおけるITインフラ導入/運用の実態と展望レポート」(ノークリサーチ)のデータを参照している。


<CentOS代替(AlmaLinux/Rocky Linuxなど)の訴求ではRHELと同じ戦略は必ずしも必要でない>
■ RHEL利用企業ではオンプレ&クラウド連携/サーバ乱立/初期費用の課題が相対的に高い
■RHEL以外のLinuxサーバOSでは、クラウド移行や管理/運用の自動化が課題となっている
■AlmaLinux、Rocky Linuxなどを訴求する際には「OS自身が備える機能による支援」が得策


■ RHEL利用企業ではオンプレ&クラウド連携/サーバ乱立/初期費用の課題が相対的に高い
CentOSのサポート終了(コミュニティによる公式サポートの終了)を受けて、Linuxサーバ市場では「RHELが更にシェアを伸ばすのか?AlmaLinuxやRocky Linuxなどの新たな代替手段が多く選ばれるようになるのか?」が引き続き焦点の1つとなっている。
そうした中で、Red HatはRed Hat Developer Programの一環として「RHEL for Business Developers」(※)の無償提供を開始した。これにより、RHELのユーザ企業は開発環境と本番環境の連携やクラウド/オンプレミスを跨いだハイブリッドクラウド環境の構築/運用に役立つ様々なツール/プラットフォームを利用できる。(※ (リンク ») )
以下のグラフはRHELを導入済みのユーザ企業とRHELおよびCentOS以外のLinuxサーバOS(SLES、AlmaLinux、Rocky Linuxなど)を導入済みのユーザ企業でサーバ環境における課題を尋ねた結果を比較したデータの一部である。 (CentOSは延命対策が主体となるため、ここでは除外している)
RHELはLinuxサーバOSの中では最もシェアが高く、利用するユーザ企業のスキルレベルも多岐に渡る。そのため、上記の結果が示すように他のLinuxサーバOSと比べて「オンプレミスとクラウドのデータ連携が難しい」、「サーバが乱立して全体を把握できていない」、「サーバ導入時の初期費用が負担」といった課題を挙げる割合も高くなっていることがわかる。「RHEL for BusinessDevelopers」はこれらの課題を軽減する有効な手段となる可能性がある。 では、RHEL以外のLinuxサーバOSについても同様の支援策を講じるべきだろうか?次頁以降では調査データを参照しながら、そうした観点からの考察を進めていく。


■RHEL以外のLinuxサーバOSでは、クラウド移行や管理/運用の自動化が課題となっている
前頁ではRHELを導入済みのユーザ企業において相対的に値の高い課題項目を示したが、以下のグラフのようにRHELおよびCentOS以外のLinuxサーバOSを導入済みのユーザ企業において多く挙げられている課題項目もある。
前頁で確認したように、RHEL導入済みユーザ企業ではハイブリッドクラウドやサーバ統合に関連する課題が多かった。一方、RHELおよびCentOS以外のLinuxサーバOSでは「業務パッケージをクラウドに移設できない」や「管理/運用を自動化する方法が分からない」の値が高く、クラウド移行や管理/運用の自動化といった基本的なノウハウに関する課題が多く挙げられている。
また、「サーバの処理性能が余っている」もRHELの場合と比べて若干高くなっていることから、サーバ仮想化を推進する支援についても改めて検討する価値がある。 つまり、CentOS代替としてAlmaLinuxやRocky Linuxなどを訴求する際には 「RHEL for Business Developers」 と同じ施策を進めることが必ずしも最善策とはならない点に注意する必要がある。
上記に述べたRHELとそれ以外のLinuxサーバOSとの傾向差は他の観点で見た課題項目にも見られる。以下のグラフはRHELを導入済みのユーザ企業とRHELおよびCentOS以外のLinuxサーバOSを導入済みのユーザ企業で「クラウド事業者の選定」に関する課題を尋ねた結果を比べたものだ。
「RHEL for Business Developers」による支援はハイブリッドクラウド環境の構築/運用を円滑にする一方、ユーザ企業から見た場合は「特定のクラウド事業者に依存してしまう」という懸念を抱きやすくなる。一方で、その他のLinuxサーバOSでは「クラウド事業者毎にシステムが分断する」が多く挙げられており、マルチクラウド環境での統合管理が求められている。このようにクラウド事業者の選定という観点においても、RHELとそれ以外のLinuxサーバOSではユーザ企業が求める傾向が異なっている点にも留意しておくことが大切だ。次頁では今後の導入予定を尋ねたデータを元に更なる考察を進めていく。


■AlmaLinux、Rocky Linuxなどを訴求する際には「OS自身が備える機能による支援」が得策
以下のグラフはRHELを導入予定のユーザ企業とRHELおよびCentOS以外のLinuxサーバOSを導入予定のユーザ企業に対し、サーバ活用における今後の方針を尋ねた結果を比較したものだ。すなわち、今後のサーバOS導入予定とニーズの関連を示すデータと言える。
RHELでは「オンプレミスとクラウドは取捨選択する」の値が相対的に高くなっている。つまり、 「RHEL for Business Developers」が目指しているハイブリッドクラウド環境の支援は今後RHELを導入しようとしているユーザ企業のニーズを的確に捉えた取り組みとなっている。 一方で、RHELおよびCentOS以外のLinuxサーバOSでは「最新OSの機能を積極的に活用する」と「サーバ仮想化の適用対象を増やす」の値が比較的高い。後者は前頁で述べた「サーバの処理性能が余っている」という課題とも符合する。したがって、SLES、AlmaLinux、Rocky Linuxなどを訴求する際には追加のツールやサービスによる支援よりも、OS自身が備える機能を通じてサーバ仮想化や前頁で触れた基本的な課題を軽減/解消する取り組みが有効と考えられる。この違いは以下のグラフからも読み取れる。以下のグラフは今後のサーバ活用方針を上記とは別の観点の選択肢で尋ねた結果である。
「サーバ管理の自動化を進めていく」の値はRHELの場合とそれ以外のLinuxサーバOSの場合で大差ないが、「サーバ管理を担うSaaSを活用する」や「システム構築/運用の内製を進める」の値はRHELの方が高い。 つまり、RHELを導入予定のユーザ企業はツールを駆使して自らシステム構築/運用をしようする割合が相対的に高く、こうした素地があることによって「RHEL forBusiness Developers」が効果を発揮しやすくなっていると捉えることができる。したがって、今後のニーズという観点においても、AlmaLinuxやRocky Linuxなどを訴求する際はRHELと同様の施策を無理に進めず、OS自身が備える機能を手軽に利用することによって実現できる支援策を講じることが得策と考えられる。

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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
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