ボストン発--Red Hatが愛好家向けに出していたLinuxの後継にあたるFedoraの次期製品では、2つの大きな新機能がサポートされることになりそうだ。
Fedoraのバージョン4は、IBMのPowerプロセッサをサポートし、また同一のコンピュータ上で複数のOSを同時に走らせるためのソフトウェアにも対応する。
Fedoraは、最新技術はほしいがテクニカルサポートはあまり必要ないというLinux愛好家向けの製品で、Red HatではRed Hat Enterprise Linuxの実験環境としてFedoraを利用している。Red Hat Enterprise Linuxは長期のサポートが付くものの、Fedoraとは異なり、有料で提供されている。
Fedoraは、Red Hatの当初の期待に応えるものではなかったが、しかし同社では改めて外部プログラマーの強力なコミュニティを構築し、Fedoraの開発やサポートに役立てようとしている。その試みの一環となる初めてのFedora User and Developer Conference(FUDcon)は、LinuxWorld Conference & Expoの直後に当地で開催されることになっている。
Fedoraは現在2つのバージョンが出ているが、このうち1つはIntelのPentiumのような32ビットのx86プロセッサ版で、もうひとつはAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteronのような64ビット機能に対応したx86プロセッサ用だ。またRed Hatは現在、AppleのPowerMac G5に採用されているPowerPCや、IBMのLinuxサーバであるOpenPowerに搭載のPower5など、Powerプロセッサ向けバージョンの開発も計画している。
複数OSのサポートは、Xenと呼ばれるオープンソースのソフトウェアを使ったものとなる。Xenは、EMCのVMwareやMicrosoftのVirtual Serverと競合するものだが、ただしこれらの「バーチャルマシン」プログラムとは異なり、XenをサポートするためにOS側に手を加える必要がある。
複数のOSを同時に走らせる機能は、開発者がいくつかのマシンやサーバを使って複数のプロセスを同時に処理する際の様子をシミュレーションする場合など、多くの用途で役に立つものだ。
Fedora Core 4は3月16日に登場予定で、最初のテストバージョンは2月21日に公開されると、Red Hatは今月メーリングリストに投稿したメッセージのなかで述べている。このメッセージのなかで、Bill Nottinghamという開発者は、現在同社が管理下においているFedora Coreの多くのソフトウェアを、外部のプログラマらが管理するようになることを同社が望んでいるFedora Extrasへと移管していく可能性もあると述べている。
Red Hatの製品は、オープンソフトウェアのパッケージ群で構成されているが、しかし同社ではFedoraプロジェクトを使ってより多くの開発者を集めようとしている。だが、この取り組みは、CanonicalのUbuntuなど他のディストリビュータの提供するLinuxだけでなく、Sun MicrosystemsのOpenSolarisプロジェクトからの競争にも直面している。
だが、Red Hatはこれまでに、いくらかの成功を収めてもいる。最初に出た64ビット対応のx86版はまず外部プログラマーが開発を始めたもので、PowerPCバージョンもそれと同様の経緯をたどっている。
Fedora Core 4に追加される予定の機能としては、このほか起動時間の短縮や、GNOMEの2.10や KDEのバージョン3.4を含む新しいGUI、Xorgから出される新しいグラフィック基盤ソフトウェア、そしてOpenOffice.org 2.0などがある。さらにRed Hatは、コンパイラソフトのGCCについても、バージョン4が間に合えばこれを採用することにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。