東芝、携帯電話からPCを遠隔操作できるシステムを開発

永井美智子(CNET Japan編集部)

2005-01-18 17:38

 東芝は1月18日、携帯電話からPCを遠隔操作できるシステム「ユビキタスビューア」を開発したと発表した。これにより、PCに届いたメールを携帯電話で閲覧したり、PC内のファイルを変更したりすることが可能となる。3月までに製品化を目指すという。

 今回開発したシステムは、1)au向けのBREWアプリ、2)データの圧縮などを行うPC用ソフト、3)ユーザー認証を行うゲートウェイサーバ、4)PCを起動するサーバの4つからなる。データはすべてSSLによって暗号化され、携帯電話のサブスクライバID(携帯電話の端末ごとに割り付けられる固有ID)による認証と、ワンタイムパスワードによる認証が行われる。認証はゲートウェイサーバが行うため、インフラの増設やセキュリティポリシーを変更することなく、企業内のPCに社外からアクセスして操作できるという。

「ユビキタスビューア」の画面。PCと同じ画面を表示できる

 携帯電話をPCのように利用するものとしては、miniSDメモリーカードに保存したファイルを表示できるシャープのドキュメントビューアーや、PC用サイトが閲覧できるOperaなどのフルブラウザがあった。しかしこれらは「基本は見るだけであり、データの編集などはできなかった」と東芝 ソフトウェア技術センター 所長の青山光伸氏は指摘する。今回のシステムはPCを遠隔操作するため、ファイルの編集などが可能となる。

 東芝 ソフトウェア技術センター 技術開発第二担当 主査の清水伸夫氏によると、独自の圧縮処理技術を開発したことで今回のサービスが可能になったという。auの定額制では1日あたりの通信量に制限があり、「従来の圧縮技術では1日10分程度しか利用することができなかった」(清水氏)。新たに開発した技術ではデータを3%以下に圧縮できるようになったとのことだ。

 ウェブブラウザやマイクロソフトのWord、PowerPointなどほとんどのアプリケーションに対応する。ただし動画再生やサウンド再生には対応していない。

 東芝では大企業に対して今回のシステムを納入していく。また、KDDIと組んで月額課金の一般向けサービスを展開していく考えもあるという。

 BREWアプリを使うため、対応端末はauに限られる。CDMA 1x WINの定額制を前提としており、東芝製のW21Tなど、メモリ領域が3MB以上ある機種が対象となる。NTTドコモやボーダフォンへの対応も計画中としている。

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