日立製作所は7月4日、暗号専用演算器の不要な小型マイコン向け公開鍵暗号実装技術を発表した。これにより、モバイル機器やICカードなどにおいて、普及型廉価チップで住民基本台帳用ICカード並みの高強度認証が、実用速度で処理可能になるという。
同技術は、楕円曲線暗号(コブリッツ曲線)と呼ばれる暗号技術を用い、同社が開発した暗号計算手法「Width-w Non-Adjacent Form(wNAF)」を適用した。コブリッツ曲線の処理では、τ倍算と呼ばれる特殊な演算を利用できるため、暗号用の専用演算器がなくても高速処理が行えるという。
「RSA暗号に比べ、暗号専用の演算器を使わない環境でも速度が低下することなく、同等以上の安全性を実現できる」(同社)
同技術については、2005年7月4〜6日にオーストラリアのブリズベンで開催されるAustralasian Conference on Information Security and Privacy(ACISP)2005で発表する。