Windows Vistaの導入を2008年以降まで待つべき理由--米ガートナー調査報告

Colin Barker(ZDNet UK)

2005-11-14 14:25

 企業ユーザーはMicrosoftの「Windows Vista」に慌てて乗り換えるべきではなく、2008年までは慎重な態度を取った方がよいと、Gartnerのアナリストが発表した。

 Gartnerのアナリストは、2006年にリリース予定のVistaの改良点の大半はセキュリティに関したもので、そうした機能のほとんどが「今日ではサードパーティ製品で代用できる」と、米国時間11日に発表した報告書で述べている。

 これによると、先行するWindows XPと比べ、Vistaには付加的かつ革新的な改良が施されているが、XPユーザーは多様性を確保する戦略をとったほうがよいという。すなわち、Vistaは新しいマシンにインストールするべきで、それも2008年までは様子を見た方がよいと、アナリストは考えているのである。

 「Microsoft Windows Vistaクライアントに注目すべき/注目すべきでない10の理由」と題された報告書で、GartnerはMicrosoftのプラットフォーム戦略の弱点を明らかにした。

 Internet Explorer(IE) 7には、「IEからFirefoxへの移行に歯止めをかける」多数のセキュリティ新機能が盛り込まれ、2006年初頭の提供を目指して「作業が急ピッチで進められてきた」とGartnerは述べる。しかし、「ブラウザの動作を特権の低いプロセスに制限する一部の重要な機能」は、Vistaと連動する必要があることから当面利用できないと、Gatnerは注意を促している。

 アナリストは、IE7とVistaを併用すれば脆弱性は緩和されると考えている。

 このほかセキュリティに関しては、Windows VistaのパーソナルファイアウォールがXPのService Pack 2のものよりすぐれており、受信/送信トラフィックの安全性を高めることができるとされている。これは特に、ノートPCで重要視されている問題だ。もっともアナリストは、個人ユーザーはラップトップに「十分機能的な」ファイアウォールをすでに搭載していると指摘している。

 Microsoftは、Vistaの検索機能を強化している。Gartnerの報告書には、「Windows XPの検索は遅く、各種ファイルや電子メール、カレンダーのオブジェクトなどは見つけづらい」と記載されていた。また、MicrosoftはVistaでこうした点の改良を図ったが、現在はGoogleなどの企業によって、「サードパーティ製の優れたデスクトップツールが提供されている」と、Gartnerは述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]